ジャカルタを拠点とするLab Teater Ciputatのバンバン・プリハジと、東京を拠点とするshelfの矢野靖人による長期国際共同制作プロジェクト。三島由紀夫とダナルトという互いの国の著名な文学テキストを交換し、それぞれが1本ずつ劇作。次いで、互いの演劇制作の方法(演出論、演技メソッドなど)を共有し、最終的にはこの2作品と2人の作家に共通するテーマやモチーフをベースにした新作を共同演出作品として制作。1年目は2作品の研究とワークインプログレス公演を行い、2年目に共同制作作品をジャカルタで初演、3年目には、同作を東京、ジャカルタ他で上演することを予定している。
2020年10月6日(火)~10月10日(土)@The 8th Gallery(東京)
2020年10月11日(日)ジャカルタと繋いで、オンラインシンポジウムを開催
YouTubeライブ配信URL:https://youtu.be/7BXal1NojYo
『Rintrik』の舞台を大胆に現代の都市に置き換えたい。原作の小説の持つ鄙びた土地、荒んだ大地のイメージを都市の騒乱とその中にあることの孤独とに置き換え、老女リントリクの持つ泥や埃に塗れた身体と不可思議な聖性、その清浄さについて、神経質なまでに滅菌された現代の都市空間においてそれを誇張して表現したい。イスラム教、あるいは一神教の理解は、私にはとても難しい。しかし、ケジャウェンのアニミズム的な要素を梯子にすれば、ダナルトの考える神という存在にどこか理解が届きそうな気がしている。誤解、誤読を恐れずにこの神秘主義的な小説を、まさに今、この大きな困難を迎えている現代を生きる人間のための一つの寓話劇として、時代を生きる指針を指し示せればと思う。