2023年6月、セゾン文化財団 森下スタジオにてshelfがジャカルタの劇団Lab Teater Ciputat(代表、バンバン・プリハディ)と一緒に取り組んで来た長期国際共同制作プロジェクト、交差/横断するテキスト:ミステリーとミスティカルのあいだで(Crossing Text: Between Mystery and Mystical)の最終成果である2劇団の共同制作・共同演出による作品「The Smiling Old Women/微笑む老女」のワークインプログレス(稽古場発表会)を、関係者限定にて実施しました。
作 / Theater Company shelf and Lab Teater Ciputat
原案 / ダナルト「Rintrik」、三島由紀夫「卒塔婆小町」
演出 / バンバン・プリハディ、矢野靖人
アレ・ウスマン
アリ・スミトロ
バンキット・サンジャヤ
ホリファ・ウィラ
シル・イルハム・ジャンバック
ヨファ・トゥリ・ワフユニ
三橋麻子
沖渡崇史
川渕優子
綾田將一
東京の劇団shelfとその代表にして演出家の矢野靖人、ジャカルタの劇団Lab Teater Ciputatとその代表・演出家のBambang Prihadiとの長期国際共同制作である。先ず、それぞれ互いの国の文学テキスト(三島由紀夫『卒塔婆小町』とダナルト『Rintrik』)を交換し、それぞれに舞台化。その先に、その舞台制作の経験を糧にして一つの共同制作作品を、“CROSSING TEXT(交差/横断するテキスト)”という方法論で編み出していくことを目指す。これは単に一つの作品制作をのみ目指すものではなく、制作プロセスにおいて得られた国際協働の成果、個的な経験を出来る限りドキュメント化、あるいは映像化し、それを広く社会に共有することで、新しい国際共同制作の在り方、その価値と意義、もっといえば、これからの国際社会、多文化共生社会における共生の在り方をも示すものでもある。
本プロジェクトのタイトルにある「ミステリー」を謎/人間に分からないこと/人間の理解を超えるもの。「ミスティカル」をより宗教に近いもの/人間が“信じる”ということ/人間が考え、信じることから出来上がっているものと定義。ダナルトの小説「Rintrik」と三島由紀夫「卒塔婆小町」に通じる老女(リントリクと小町)という存在の謎、聖性、宗教性あるいは、信じるということについてなど幾つかのテーマを抽出。
クリエイションの段階においてはさらに、社会において女性であるということ、老いるということの価値や意味について議論しそして、人が微笑むのはどのような時なのか?(リントリクと小町が、それぞれ微笑むときがあるとすればそれはどんなときか?)ということについて、対面とリモートの両方を使ってクリエイションとディスカッションを繰り返しながら制作した。
この作品は、昨年2022年12月に試演した最初の共同制作作品のワークインプログレスをより深化させ、よりアクチュアルで強い表現を求めたものであると同時に、本年2023年10月にジャカルタで世界初演をする作品のための最後のワークインプログレスとして実施するものである。
2023年6月27日(火)19:00~
1時間を予定
森下スタジオ(Cスタジオ)
東京都江東区森下3-5-6
https://www.saison.or.jp/studio#p06
都営新宿線、都営大江戸線「森下駅」 A6出口 徒歩5分
東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」 A2出口 徒歩10分
一般社団法人shelf、Lab Teater Ciputat
公益財団法人セゾン文化財団、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、インドネシア教育文化省