矢野靖人に対するハラスメント告発に対するお詫びとshelfの今後の活動について
shelf代表の矢野靖人です。本来であれば、もっと早くにお伝えすべき内容だったかもしれません。ここまで時間がかかってしまい申し訳ございません。
この3年間、告発を受けてから、shelfと私は既存プロジェクトの継続のみとし、新規プロジェクトの立ち上げを自粛してきました。
特にこの2年間は(2023‐2024)新規の創作活動を完全に停止し、この間のSNS上でなされた矢野のハラスメント行為についての告発について向き合い続けてきました。長島確氏、オノマリコ氏による「ハラスメント調査有志の会」の報告が出てからはその内容を精査し、一つひとつ反省すべき点を反省し、何度も読み返してきました。じっさいいくつかの中立な第三者機関にも相談し、彼らの提案を着実に進めようとして来ています。
ハラスメント防止のためのガイドラインについては、2022年にご報告の通り、弁護士の方々の協力を得てこれを作成しております。これについてはあくまで更新し続けていくものであることを前提とし、将来的に公演活動を再開する際には、参加者との話し合いや外部有識者の助けを得て、再度内容を検討したいと考えています。
今回のこの文章は、実質「ハラスメント調査有志の会」の中間報告を受けての応答です。有志の会からは2023年5月6日に調査結果が公表されました。それに対して、2年近くのあいだ応答することができませんでした。この部分には大いに反省すべき点があると認識しています。
shelf代表・矢野氏への告発を受けて、氏がおこなったとされるハラスメントについての調査結果を一部公開します
今回、第三者機関、外部有識者の方々には非常に多くの方面にご協力頂いたのですが、なかでもいちばん具体的な勧告を頂いたのが、東京都とアーツカウンシル東京によるアーティストの相談窓口である「アートノト」でした。具体的なステップのいちばんが、
【1. 調査報告書を受けての、劇団側の事実の認識について公式なアナウンスを行う】
というもので、これはまた以下に、
【2. 組織としての改革】
【3. 演出家としての矢野様ご自身の指導方法の見直し】
という項目が、具体的な内容を伴って記載されていました。
順番が前後しますが、上記1.3.に関わる問題を先に記載し、その後、今後努めていく組織改革についてまとめたいと思います。
1-1.演出家としての矢野自身の指導方法の見直しについて、およびセクハラ行為の指摘について
稽古場で「服を脱げ」といったセクハラ行為があったとの指摘について、何度も考え、思い出そうとし、思考して来ましたが、自分の頭の中では思い出すことができませんでした。※
しかし調査報告で複数の目撃証言があるとされている以上、自身の記憶を疑わざるを得ません。この場を借りて、告発者の方、そして声を上げてくださった皆様に、心からお詫び申し上げます。
※この件に関しては、矢野は個人的に、先述した「アートノト」から演劇分野に詳しい心理職(臨床心理士・公認心理師)を紹介頂き、一緒に状況を整理していく予定をしています。ただ、僕自身、長年うつ病を患っており、そのため主治医との相談が必要でスケジュール調整に少し手間取っております。
1-2.パワハラ行為について、その調査方法についての反省を含む
これまでの私の厳しい演出や指導が人を傷つけたことについては、改めてこれを自覚し、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。また、2年前に行ったshelf内での聞き取り調査は、告発された作品に限られており、他の公演について調査していなかったことを反省しています。その方法も、行為者とされた私自身が立ち会ったものであり、不適切でした。当時、公演直前であり、関係各所にこれ以上のご迷惑をかけたくない一心で拙速な対応に陥ったことも、改めて謝罪いたします。
1-3.過去の行為に対して
Twitterでの告発は約12年前の出来事に関するもので、調査報告にはさらに過去の出来事も含まれていました。当時は、稽古場での感情的な行為や俳優を追い詰めるような指導に「必然性がある」と考えていました。傷つけてしまった方々一人ひとりにこの場を借りてお詫び申し上げます。今後は、必要に応じて心理の専門家やコーチングの専門家との面談なども実践していきたいと思っています。
2-1.組織としての改革、今後の方針と再出発に向けて
この10年、国内外で活動を行う中で、海外の文化や慣習に触れることで、自分の感覚や方法が変化してきたと実感しています。日本社会や世界の常識も変化しており、私自身も感覚や方法を更新し続ける必要があると痛感しています。
現在、主に2026年度以降の活動についてメンバーと話し合い、準備を進めながら、本格的な活動を再開したいと考えています。再開に際しては、外部有識者によるハラスメント防止のための勉強会(研修会)をメンバーと共に実施します。また、その他に何ができるか? そのことについては、「アートノト」にまた相談をさせて頂きながら、第三者によるハラスメント被害相談窓口の設置のほか、稽古場そのものの公開も含めた<場>の在り方を検討していこうと思っています。
3.私たちは「ハラスメント調査有志の会」の調査報告にあった以下の言葉を信じています
「我々は劇団の活動停止や解散を望んでいるわけではありません。(記憶に残っていないことも含めての)過去の行いをどう改めてこれから活動をしていくか、その問題に目を背けず、行動していただければと思います。」
「ハラスメント調査有志の会 2023年5月6日 12:00 note」から引用
(note: https://note.com/harassment_yushi/n/n17a8061c19fd )
「ハラスメント調査有志の会」のみなさんのこの言葉は私たちにとって非常に重いものでした。我々としてもここは「ハラスメント調査有志の会」のステートメントにあったように、自分の抱えている問題に目を背けず、過去の行いを改めて今後の活動をどうしていくのかを考え、きちんと発信していくことが重要だと考えています。
そのための一助として、現在、「ハラスメント調査有志の会」の皆様に、問題解決や課題の洗い出しに向けた対話の場をお願いしたいとご連絡を差し上げております。連絡を差し上げてから半年以上経った今もお返事いただけておりませんが、この文章が皆様に届き、対話の場を設けていただけることを切に願っております。