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融ける、呼吸。

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……右側の人たちと左側の人たちが、その時その時で、代る代る私をあざ笑ったり、おだてたりするだろう。そしてどちらからもホントの味方だと思われることは絶えて無いだろう。嘲笑されない時には利用されるだろう。利用されない時には嘲笑されるだろう。それ以外には全く扱われないだろう。そして、しまいには捨てられるだろう。捨てられて腐ってしまった時分に、どこからか「人間」が近づいて来てくれるかもしれない。来てくれないかも知れない。ハハ! ハハ! ……ハハハ! だって、こっけいじゃないか! 原子爆弾で人間はみんな殺され、死んでしまうかもわからないのだよ。それを、ほかならぬ人間自身が作り出して、使った! ハッハ! 神だけがする資格のある事を、人間が冒したんだよ! 冒した! もう取り返しはつかない。それを使う事を決定し、ボタンを押した人の手は、その人たちの手は、まだ腐らないで腕についているのだろうか?

三好十郎「冒した者」より


不自由すぎ、不器用すぎな自分がなんかもう可笑しい。

私とあなたとの間に線を引くことは可能か、なんてことで混乱してしまうほどに曖昧な自分というものの輪郭。

手触り、そして温度を探しているのだ。それだけは確実。


写真は森祐介さん(手前)。初めてご一緒します。
はじめましてからそんなに時間経ってないのに私のよくわからない訴えを感覚で捉えてくれるありがたい人です。


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囚われている。変わりなく。

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検事 そうじゃないか。盗人たけだけしいとはお前のことだぞ、お前は、自分の罪を、社会とか国家とかになすりつけようとしているんだろう。いいか、我々は国家社会を代表して、お前を裁いているんだぞ。その我々の正しさを、お前は否定しているんだろう。我々の正しさに、唾を吐きかけたいんだろう。

船長 いいえ、それはちがいます。私はただ、他人の肉を食べた者か、他人に食べられてしまった者に、裁かれたいと申上げているだけです。

武田泰淳「ひかりごけ」より


平らな目で見ようとすればするほど、囚われの身であることに気づいてしまう。皮膚に付いた、この人工的なシミみたいなもの、は、思った以上に自分を混乱させる。気づいてしまったから。抗おうなんてするから。


写真は小山待子さん。2度目の共演。パンをもぐもぐしているところを無理やり写ってもらいました。かわゆい。


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初日、10日前。

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「われわれ」は、民族の大義のために血と自由とを捧げた。だがお許しいただきたい、「わたし」はそれらを捧げなかった。「われわれ」があれこれ苦しんでいたときに「わたし」は家に閑居していたのである。「われわれ」は徹頭徹尾、英雄であり殉教者であり兄弟である。「われわれ」は大きな度量の持主で犠牲的精神そのものである。「われわれ」は戦い、「われわれ」は要求する。本当に、非常にすばらしい「われわれ」を、非常に堂々として名誉ある、賞賛すべき「われわれ」を誇りに思うことができる。だがあわれにも、「わたし」はなにも、この「われわれ」の優位から生ずるものをまったくなにも持てないとしたら! この上なく完全な「われわれ」は、「わたし」の性格になにも加えてくれず、「わたし」の価値によってもなんの重みも加わらないことになる。「わたし」が少なくとも慈善の寄付としてタマネギでも提供しなかったら、いかなる「われわれ」も「わたし」を救ってくれない。

カレル・チャペック「未来からの手紙」(飯島周編訳)より


今回は稽古後にみんなで(そのとき行ける人)ご飯を食べることがいつも以上に多いです。そしてとにかく喋る。みんなそれぞれにいろいろな感覚やイメージを持っていて、それを聞くことがとても面白いし、今回のような作品を作るには非常に有意義、というかむしろ必要な時間となっているんだな(自分の中では)。

初日まで10日。まだまだ何か出てくるはず。そしてお客様と時間を共有したときにはまた何か出てくるはず。

わくわく。


写真は日向野敦子さん。初めてご一緒させていただきます。大人です。大人の女です。


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戦闘モードで稽古。

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男の人って、死ぬる際まで、こんなにもったい振って意義だのなんだのにこだわり、見栄を張って嘘をついていなければならないのかしら。

太宰治「おさん」より


膨れ上がったテキストたちと格闘する毎日。さまざまな言葉はさまざまな身体を求めて。物質、としての身体と。気づいたら初日まで2週間を切っているってあああああ。でもこの過程は端折りたくない、この豊かさ、とフル回転です。


写真はある日の春日茉衣。予告Tシャツで予告中。顔はいらんと言われたのでTシャツのみです。


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稽古後半戦。

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ルネ 御存知ないのよ。貞淑であろうと心に決めた一人の女が、この世の掟も体面ものこらず踏みにじってゆくその道行が。

モントルイユ ならずものに打込んだ女はみんなそう言うのね。

ルネ アルフォンスはならずものではございません。あの人は私と不可能との間の閾のようなもの、ともすれば私と神との間の閾なのですわ。泥足と棘で血みどろの足の裏に汚れた閾。

モントルイユ 又お前の迂遠な譬え話がはじまった。アンヌでさえそれをからかっておいでだった。

ルネ だってアルフォンスは譬えでしか語れない人なのですもの。あの人は鳩です。獅子ではありません。あの人は金髪の白い小さな花です。毒草ではありません。鳩や花が鞭を揮うのを見るときに、獣と感じるのはこちらのほうです。

三島由紀夫「サド侯爵夫人」より


[edit]は稽古まっただ中です。初めに感じたイメージが次々逸れていって、あれ今なんの話してるんだったっけ、みたいな、どんどんポイポイしていく感覚がとても面白いです。

流れるままにぐちゃぐちゃに。いろんな靴を履いて歩きたい。


写真は金原並央さん。昨年[untitled]にも出演、今回二度目の共演です。
さまざまな場所で、日々、名言を吐いています。若さが溢れすぎています。
そして金原といえばこれ。そのキラキラゆえに遠くからも彼女を見つけられます。


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