10月!
いよいよ『三島ル』参加作品の稽古へと入って参ります。
現在、本番を控えている出演者の方もいるためまだ全員は揃っていないのですが、はじまりました!
ひさしぶりに書く日誌なので、長くなってしまいますた。
お時間ある際に、読んでもらえましたら幸いです。
本日のshelf♪ vol.1
出演者が全員揃うまでは、基礎稽古に引き続き、丁寧に体のことをやっています。お互いに見合って。最近は動画も使いながら、自分で自分を客観的にみて認識して、また調整してとそんな稽古をしています。
◎各自ストレッチ
それぞれが知っている、また、新しく仕入れたストレッチ方法だったりをみんなで共有してやってみたりしてます。もともと体が柔らかい人もいるけれど、そんな人はさらにやわらかく、そうじゃない私は毎日やることによって少しでも可動域を広げていくしかないことを切に感じる日々。
これは本当にとにかく個人で出来る作業だなと改めて認識。ひたすらひとりで出来るので、自分の体と向き合ってやっていくしかないのだと、言い聞かせる。積み重ねでつ。
◎まっすぐ立つ
shelfのワークショップの時によく登場するこのまっすぐ立つ。ニュートラルな身体で立つ。とも言えるかと思いまつ。言葉のとおり、そのまんまの意味なのですが、これが案外できていなかったりするのです。。うぅ。
日々の生活でのクセやゆがみから、首が前に出ていたり、左右のどちらかに傾いていたり、重心が後ろすぎたり、お腹が抜けてたりなどなど。
2人組でペアになってやります。
まずふつうに立ってもらい、もう一人は前から、後ろから、横から、身体をみながらチェックします。
ココが変だわ!まっすぐじゃないわ!
ってところは、直してあげてその人のまっすぐな状態をつくります。
立ってチェックしてもらっている方は、ペアの人にまっすぐに直してもらうと、普段の自分の立ち方と違和感があったりします。マレに痛かったり、なんだか窮屈だなあって感じたり。でも、コレが本来のニュートラルな体の姿だったりするのです。
ニュートラル=体に余計な力、力みがない状態で、軸、芯でしっかり立っていることだと私は理解していまつ。これ実は体に負担のない、とっても楽な立ち方なのです。舞台上では、このニュートラルな立ってからすべてがはじまるのではないかと考えています。
何の作品をやるとか関係なく、まず自分の体で立つ。まっすぐ立っている体と、そうじゃない体と、見ると一目瞭然なのでつ。惹きつける人になるための第一歩。ひたすらに地味な作業なのですが、時間があるときにはこのまっすぐ立つをやって、チェックしています。
◎歩く
一定の速度で、歩きます。
力が一定方向にひたすら進んでいく。
ことばで表現するのがむずかしいのですが、身体の軸を使って、中の筋肉で支えて歩きます。全ての動きは軸からはじまる。木の幹からはじまる。
花が咲くのは枝先で、幹や根っこからは一番遠いところなんだけど、養分を吸い取ったり、花を咲かせるために一番はじめにうごいて、活動しているのは中心の根っこや幹なのです。これは外からは見えないから、むずかしいのだけど。表面に現れてくるまでに、動いている部分が確実にあるのです。
もちろんみえているところに目がいくのは当たり前だと思うのです。だけど、外に現れるまでの部分をしっかりと自分でつかまえて、はしょらずに、しっかりたどって、根っこや幹から来たものを、最後枝先の花にして届けたい。
背骨の下から上に一本の意識の線。そして腰。
うごきのはじまりを軸から、根元、根本からのものに。
ついつい、指先や腕など先の動かしやすい部分から動かすクセがついていると、根元は全くうごいていないままのことが多いのです。
そうすると、うごきが身体全体とつながっていないというか、胴体と切り離されて動いているようにみえたりしてしまうのです。
私も背中、肩甲骨まわりがかたくて動きずらくなっているので、なるべくなるべく肩甲骨から動かしていけるようにしています。
ああ、不器用すぎる体を実感するけど動かしていくしかないのよね。
本来、子どものときにはそういう風に動いていたのがかたまっちゃってるから、それをほぐして取り戻すのだ。自転車に乗れたように、つかんで根元から動くのが自然、当たり前になったらまた変わるのだ。
◎空間
人との関係はもちろん、shelfは空間との関係をすごく大事にしてつくっていると思っていまつ。空間に存在したときに、体があるときに、その輪郭がくっきりしている、ぼやけている、などと矢野さんからもたびたび言われます。
舞台は増幅させるものだから、より増幅させる体でいたいのです。クリアなくっきりとした、くっきりとした体。
劇場、稽古場、野外劇場、テントなど、様々な空間にどのように立つ、存在するのかという。おおさげにきこえるかもしれないのですが、そうなのです。
そんな様々な空間にくっきり、まっすぐ、しっかり地面を踏みしめ、立っている。立つための身体づくりを公演のない基礎稽古の期間にやっています。
これまた地味なの!でも、真剣です。なんてったって、舞台上では自分の体がお客さんにあらわになるから。
くっきりとした人は、観る人を惹きつける力があります。そんな惹きつける人たちが、舞台上にたくさんいたら…なんて魅力にあふれるのだろう。同じ文脈を共有している体が、物理的にたくさんいたら、もうとにかくパワーがちがいます。かけ算で、増幅していく。ぜひお客さんに体感してもらいたいです。そのための体になります…!
この稽古場日誌を読みながら、shelfに、shelfがやろうと、実現しようとしていることに興味をもってもらえたらうれしいです。
明日も稽古です。
よろしくお願いします!
春日茉衣