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10月公演トーク・ゲスト決定。

7月初旬から調整していた10月のトーク・ゲストが本日ようやくすべての開催地について決定しました。トークの日程及びゲストは下記の通り。どの日も刺激的なトークになりそうです。お楽しみに!

<名古屋>
2日(金)19:30 にへいたかひろ氏 (俳優・劇作家、よこしまブロッコリー代表)
3日(土)19:30 木村繁氏 (劇作家・演出家、人形劇団むすび座
司会/安住恭子氏 (演劇評論家)

<東京>
13日(火)19:30 宮城聰氏 (SPAC芸術総監督)
15日(木)19:30 横山義志氏 (SPAC文芸部)

<京都>
23日(金)19:30 小堀純氏 (編集者)
24日(土)19:30 平岡秀幸氏 (俳優・劇研アクターズラボ講師)
司会/田辺剛氏 (劇作家、下鴨車窓主宰、アトリエ劇研ディレクター)、杉山準氏 (NPO劇研事務局長)

  • 2009.08.01 (土) 01:01
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「私たち死んだものが目覚めたら」 演出ノート003

ほんとんどそれが前提になっているので「現代能―」とか「夢幻能―」というタイトルをわざわざつけたりはしないけれども、shelfで試みている演出の作劇方法(ドラマトゥルギー)は、「夢幻能」の要素/形式を踏襲している場合が多い。

そもそもが、大仰に「夢幻能」などという言葉を持ち出すまでもない話なのかもしれないが、演劇作品の多くが、その基本的構造が、読んでいて僕にはどうしても死者の想起する「語り」にしか見えない。

イプセン戯曲の場合は特に、そう思う。今回の「私たち死んだものが目覚めたら」の劇構造はもう、そのまんまと言ってもいいんじゃないだろうか。

イレーヌはどう読んでも絶対に死者の亡霊(シテ)だし、あるいはひょっとするとルーベック教授もそうだ。ではワキに相当するのは誰か? ひょっとしてウルフハイムか。勿論、ワキがルーベック教授だという構成もあり得ると思う。(その方がドラマがクリアになるか。)

そういう意味で、坂手さん野村萬斎さんが「現代能楽集」というシリーズ化した企画をやっていることには共感するところがあるし、(もっともSeptの企画は能の翻案ということみたいなので僕がここで書いていることとはとはちょっと違うのかも知れないのだけれども、)今回なんか、坂手さんの扱うのは同じイプセンだ。

聞けばイプセン戯曲から、「ブラン」、「人形の家」、「ヘッダ・ガブラー」、「野鴨」を下敷きにかかれたものが続けて上演されるとのこと。上演は8/3(月)まで。観に行かなければ。

  • 2009.07.31 (金) 11:38
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  • Yasuhito YANO

小暮さんがブログにC.T.T.@京都shelf作品の感想を寄せて下さいました。

昨日、C.T.T.@京都を観に来て下さった京都橘大学の小暮先生が、ご自身のブログ「こぐれ日乗∽アーツマネジメント=文化政策@京都橘大学都市環境デザイン学科」に、shelfワークインプログレス作品についてとても素敵なコメントを下さっている。

また、出かけるのが億劫になって(『焼肉ドラゴン』も収録したので)、でも、行かなくちゃ、とアトリエ劇研へ行く。
行って大正解。C.T.T.vol.83 2009年6月試演会。いやあ、10月の本公演を期待できる試演会だった。帰って、すぐに、イプセン戯曲全集を発注。

名古屋でお会いしていた矢野靖人構成・演出のself『shelf work in progress20090613-14 Kyoto「私たち死んだものが目覚めたら」』。35分ぐらいだろうか、はじめは、ワークショップの様子の披露。いやあ、ここから面白い。やってみたいなと思わせる。ニュートラルなものを大事なものから並べていくというのは、その意味をワークショップ参加者に事前に知らせてからするのか、あとで意味づけをいうのか、どちらだろうなあとか思いつつ、観ていた。

後半は矢野さん自身が音響するといって二階に上がってどたどたするところから面白く、内容もイプセンって、紅さんピットで見ていたい観たことないなあ、とか思って、ちょっと暑苦しそうな台詞もまたどういまの役者さんたちのコンテキストとの対話からどうなっていくのか、じつに楽しみな試演だった。それに、わざわざ京都に来てくれたこと自体がうれしいわけだけれど。

shelf『shelf work in progress20090613-14 Kyoto「私たち死んだものが目覚めたら」』
http://kogure.exblog.jp/8398881/

ちなみに、

> ニュートラルなものを大事なものから並べていくというのは、その意味をワークショップ参加者に事前に知らせてからするのか、あとで意味づけをいうのか、どちらだろうなあとか思いつつ、観ていた。

とのことですが、今日の回では俳優のひとりがそのことについて言及していましたが、事前に(チャートを作る前には)それについてはぜんぜん説明していませんでした。だからこそ、俳優自身が意識していなかったような彼/彼女自身の天然の創作のテーマというか、モチーフが図らずも炙り出されたりして。とても面白いワークです。ご興味ありましたら、参加して挑戦してみてください。

それにしても、「出かけるのが億劫になって、でも、行かなくちゃ、とアトリエ劇研へ行く。」「10月の本公演を期待できる試演」「帰って、すぐに、イプセン戯曲全集を発注。」などの言葉の一々がとても嬉しい。別なブログでは、明日からアトリエ劇研で行うshelfワークショップの宣伝までしてくださって。

shelfのワークショップ、昨日みたので、太鼓判。

shelfのワークショップ
http://kogure.exblog.jp/8403397/

感謝×感謝!!です。有難うございます!

  • 2009.06.15 (月) 00:52
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コメント一覧

| 小暮宣雄 url (06.15 08:33) 編集・削除

丁寧なご回答ありがとうございました。
ワークショップ面白そうなのですが(つい自分の授業の参考にしようとしてヨコシマなところもあります・・)
ちょっと、参加できそうになくて、ごめんなさい。
今日は、遊劇体です。

ではでは。

| 矢野靖人 mail url (06.15 08:48) 編集・削除

小暮宣雄さま

コメント有難うございます! ぜひぜひ。授業でもやってみてください。

ネタばれというのではありませんが、このワークショップについては実は、POTALIVEの岸井大輔さんのなさっているワークショップに着想を得たものです。このブログの「ワークショップ 『まちから作品を創る』」という一連のエントリに参加したときのレポートを書いてます。

着想を得た、というよりか方法論をそのまま取り入れて自分の創作に援用しようと試みたものなのですが、

戯曲(テキスト)の解釈、解読って、ともすると正しさを求めがちになるところがあると思うのですが、それが、うまくするとこのワークではテキストを通して読み手各々の個人史を照射するようなことになり、結果として「読み」っていうのは本来一人一人違うものだ。ということの発見と、その価値、違うということの価値の再確認につながるような結果を導き出せる。とても面白いワークです。

ご興味ありましたら、岸井大輔さんのワークショップにもぜひ、ご参加なさってみてください。僕はまだ初級編しか受けていませんが、とても面白いです。最近はときどき関西方面でも活動されているようですよ。

PLAYWORKS岸井大輔ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/kishii/

京都、一日目の夜。

C.T.T.@京都初日。昼間のゲネプロが初通し稽古という相変らずの切羽詰った状況でしたが、とても楽しい夜でした。初日乾杯ということで、宿泊先の銀閣寺の近くにあるくらり食房というカフェ/居酒屋へ。参加メンバーと、それからわざわざ東京から駆けつけて下さった! ク・ナウカの吉植さんと、けっこう早く飲み始めたのにずいぶんと深夜まで。(終バスを逃してしまった吉植さん、無事に意帰りになられましたでしょうか?)

ファイル 365-1.jpg

くらり食房
http://www.kurari-shokubo.com/

しかし美味しかったなあ、くらり食房。通りすがりで初めて入ったお店だったんだけど、頼んだ料理が全部、出てくる端から絶品で。しかもずいぶん食べたのに、ぜんぜん安かったし、お酒も美味しかった。旅公演の醍醐味はやっぱり何をおいても食ですね。こりゃもう、ぜったいに10月も毎日を充実させなければ。

C.T.T.@京都、今回でvol.83! という歴史ある企画なのですが、そうはいっても試演会だし、事前に聞いていた必要なチラシの折込枚数も2日間で75枚ということだったので、そうか。一日30-40名程度かしらんとたかを括っていたのですが、いやいいや。当日を迎えてみれば驚くほどの盛況で。50名以上のお客様がいらしていたんじゃないかしら? アトリエ劇研がほぼ満席でした。

しかも観客の大多数がみんな前のめりというか、非常に積極的に参加をして下さるお客様ばかりで。京都という土地の観客層/演劇人層の底の深さを感じました。演劇をやっているとこういった見ず知らずの観客との出会いがいちばん楽しいです。この出会いを寿ぎたい。

今回は、創作のプロセスを公開することも含めて1つの作品として上演したい。という目論見があって、普段、shelfの創作のためのワークショップではいったいどんなことをやっているのか。今回どんなことをやったのかを前半で紹介しつつ、後半に15分程度のパフォーマンスを持ってくるという構成で上演にのぞんだのですが、

プロセスを先に公開することについては賛否両方の意見があったものの、総じてみなさん、非常に好意的に作品をご覧下さったようです。有り難いことです。作品の出来も、細かいミスはそりゃ幾つもあったけどでもとても良かったように思う。

ワークインプログレス作品として、10月へ向けてのプロセスとして。僕にとっても俳優たちにとってもとても有意義で、刺激的で示唆に富んだ上演になっています。

C.T.T.@京都は明日14日(日)14:00開演の回を残すのみ。他の二つの団体も、若いけどとっても誠実な作品を持ち込んでいて。楽しいですよ! お時間ありましたら是非。

あ、あとワークショップも、まだまだ応募を受け付けております。

「shelf WORKSHOP!! 現代演劇をもっと身近に楽しむための演劇ワークショップ」
http://theatre-shelf.org/diarypro/archives/342.html

まだちょっと応募があまり多くなくて、このままだとちょっと少数精鋭の(笑)ストイックなワークになってしまいそうです。それもきっと楽しいんでしょうけどね。せっかく京都でのshelf初ワークショップだし、できるだけ賑やかで楽しいワークにしたいなあ。

C.T.T.@京都、出品作品について/「私たち死んだものが目覚めたら」 演出ノート002

ファイル 364-1.jpg

写真は近所を散歩した時に撮ったうちの近所の植え込みの紫陽花。文字ばかりで殺風景だったので。

気がつけば梅雨入り。2009年も間もなく半分、終わってしまいますね。

前述の演出ノート、といってもこれは本年1月に、各キャストに出演交渉をする際に送ったものなのでまだまだ荒削りな、創作における思考のプロセスとでも言うべき内容のノートなのですが、

それでもここには今回の重要なテーマ、モチーフがいくつかが含まれてあります。今回のC.T.T.@京都ではその中のいくつかを絞り込んで、オリジナル戯曲から一幕の台詞を抜粋し、印象を切り取って、戯曲全体の持つ“ビジョン”を抽出してそのまま提示出来るような作品に出来ればと思っています。

今回、具体的に舞台にのせたいと思っているのは、

1.「子供を作る」ということ。あるいは、「作らなかった/作れなかった」女の身体そのものの提示と、それと同時にそれとはまた別の女の「生まれた来た子をぜんぶ、次々と殺した」と語るその心情と状態。そのような二人の女の裏と表のような、二人で一つのような両者の存在の質感を、ゴロっとした手触りのようなものとして、そのまま舞台にのせたいということ。

2.誤解を怒れずに言えば、僕はもうあまり愛だの恋だのには興味がなくて、もっとずっとその先にあるものが見たい。人生のその先にある、のっぴきならない、暴力的なものが見たい。そして、

3.そこに、本戯曲中の台詞にある「静かさが聞こえる」というような、疎外感を描き切りたい。

というのが、本作を作る一演出家の妄想というか、今回の僕の欲望です。オリジナル戯曲を読んでいないと、断片的で、モノローグ主体で断章のような、ちょっと分かり難い作品になるかもしれません。ですが、切実な、言葉にならない、この胸の内にある質感だけでも客席に届けることが出来ればと。(それが絶対に不可能なことだとは自分でも分かりつつ。)

と、小難しいことをいろいろ書きましたが、いっても正味15分弱の小さな作品です。映画の予告編のように気軽に楽しんで頂ければと思っています。

3時間後には渋谷を出発します。正午過ぎには京都に到着予定。お客さんもそうですが、競演する他のニつのカンパニーの皆さんにお会いし、交流が出来ることもとても楽しみにしています。

皆さんもぜひ、shelfの実験に劇場で立ち会って下さい。

  • 2009.06.13 (土) 03:25
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  • Yasuhito YANO