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モナカ興業「旅程」観劇。

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10/21(日)に観劇。

すごく面白かったです。ストイックでスタイリッシュで緻密な戯曲、演出。久しぶりに奮えました。照明、美術、音響を含めた演出が巧い。俳優の使い方が巧い。好きです、僕は、こういう芝居が。久しぶりにまっすぐに芝居を観ることが出来ました。観に来た甲斐がありました。公演は、10/28(日)まで。まだ間に合います。会場は、三鷹市芸術文化センター 星のホール。ちょっと遠いですが、観に行く価値はあります。お時間の在る方は、是非。

モナカ興業「旅程」
http://www.k4.dion.ne.jp/~monaka/
http://mitaka.jpn.org/ticket/1210190/

  • 2012.10.23 (火) 06:02
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  • Yasuhito YANO

「沈む日本を愛せますか?」

2009年3月-2010年9月に渡って雑誌「SIGHT」(ロッキング・オン)上で行われた、内田樹と高橋源一郎の対談集。及び、続編の2010年9月‐2012年3月行われた対談をまとめた「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」読了。どちらもインタビュアーは渋谷陽一。

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55年体制成立以降続いてきた社会システムの劣化について、政治の言葉の機能しなさについて、あるいは政治と文学との関わり方について書かれた「沈む日本を愛せますか?」と、

尖閣問題(国境問題)から震災後の政治・経済を含むイデオロギーの在り方について書かれた「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか?」、三日ほどで一気に読んでしまった。

特に、右肩上がりの成長モデルはもう無効だ。静かに縮小していく社会で如何に楽しく生きるか。それが問題だ、という話が凄く面白かった。

あるいはアンチ・パターナリズムの終焉と限界について、それをアメリカやイギリスのフリースクールや広島で30年反原発運動をしている祝島のことなどを事例に挙げながら分り易く、在り得べき日本の将来像を提示する。あるいは、福島の災害を第二次世界大戦の終戦や関東大震災にに例えることの不可能さ、それには120年単位で、明治維新、否、戊辰戦争から考えなければならない、とか。

ところで、そもそも経済は成長するものだっていう実感が、僕らバブル後の世代にはない。何となくそういうものだって、刷りこまれているけど、そしてそれが生きるための選択肢を少なくさせてる実情は本当に怖いことなんだけど、(バブル崩壊が91年だとして、当時僕は21歳、僕は札幌で、大学生だった。これが僕の5つ上の世代だと既に社会人であってリアルにバブルを経験してるんだと思う。逆に5歳下だと、また高校生ってまだ経済に縁遠い生活をしていると思うから、ぜんぜん違う感覚を持っていると思う、)とまれ僕らはバブルを実感として持ってない。今回の震災で「本当の意味で戦後が終わった、」と言われても同じく。これは逆に「戦後」という言葉に実感が持てない。(今が目には視えない戦争状態だ。というのならそれは直観的にわかる。)そういったことのいろいろの分らなさに、不可能ながらもおじさんたちからの目線なりに説明が加えられていて、すごく頭の中がクリアになった気がした。

橋下徹は嫌いだけど、日本の戦後以降の時代が生み出した必然的な存在だという言葉にはちょっと衝撃を受けた。なるほど確かに、彼がウケる理由もそういうふうに説明されるとよく分る。

とまれ対談なので、口語体で書かれていて、とても読みやすいです。震災後の対談を含む二冊目がやっぱり緊張感が高くて読み易かったけど、一冊目も言ってることの基調はまったく同じで。自分がこれからどう生きていくべきか、考えるにあたって非常に示唆的でしたあと、僕は恥ずかしながら政治や経済に本当に疎いので、ホント、勉強になりました。良書との出会いに感謝。

  • 2012.10.11 (木) 07:53
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  • Yasuhito YANO

「夢の教室」

下高井戸シネマで、ピナ・バウシュ「夢の教室」を観てきました。

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面白かった。僕らは本当にあまりにも早く偉大な先人を亡くしてしまったのだな。喪失感が半端なかった。ヴェンダースの「pina」よりも観ていてツラかった。というか、先人とか偉大なとかって言葉は関係なくって、人は死ぬんだ。大切な人もいつかいなくなるんだ。そのことをまざまざと改めて突きつけられた気がしました。

別編集のトレイラーもあった。こっちの方が現場の雰囲気が伝わって好きだな。

http://www.pina-yume.com/

  • 2012.09.19 (水) 21:58
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  • Yasuhito YANO

RENT

高円寺で芝居を見て、春日と川渕、劇場で偶然会ったM山先生とゴハンしてお茶して帰宅してからBSブレミアムで録画しといた「RENT」鑑賞。2005年のアメリカ映画。

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ぶったまげた。すごくイイ。いわゆるラブストーリーとかあんまり興味ないんだけど、噂には聞いてたけどとにかく音楽が素晴らしい。全曲憶えたくなった。

芝居もイイ。根本的に彼我の俳優のレベルが違いすぎる。もう絶望的。芝居ができて、歌えて、踊れて。勝てないよこんな奴らには、ストレートプレイやってもミュージカルやっても。

エンジェル、カッコよすぎ!

脚本は、そもそも個人的に(「ムーラン・ルージュ」とか、「ネバーランド」とか)芸術家の生き方を描いた作品に弱いのだけれどもそんなことじゃなく、そんなレベルじゃなくあの時代のあの場所でしか描き得なかっただろうな、という、そんなに古い映画じゃないのにこれはもう既にして優れた古典作品の風貌。本当に深い、愛についての映画。

へえー。プッチーニのオペラ 『ラ・ボエーム』 が元ネタなんだ。で、オリジナルのブロードウェイ(1996年2月13日-2008年9月7日)の主要キャスト8名のうち6名が同じ役で出演してると。

ああ。出来ることならブロードウェイで、ライブで観てみたかったなあ。

  • 2012.07.28 (土) 08:19
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  • Yasuhito YANO

演劇実験室◎万有引力 紙芝居活劇オペラ 『怪人フー・マンチュー』 @座・高円寺1

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面白かった。話はぜんぜん分からなかったけど、(てか話らしい話はないっちゃないんだけど、)装置の物量と多勢の俳優の鍛えられた肉体、生演奏とド派手なライティングで魅せる直球エンターテイメント。なるほど紙芝居活劇オペラとはこういうことか。あんまり難しいことを考えずに、アタマ空っぽにして楽しめました。(ってもどうしても自分の次の舞台のこととか、いろいろ考えちゃってはいるんだけどね実際は。)

それにしても恵篤さんの存在感は圧倒的。ただそこにいるだけで説得力がある。もちろん台詞も重い。重くて(ピンマイク使ってるのに)フォーカスが非常にクリア。だから、比較しちゃうとかわいそうなんだけど、他の俳優の台詞がちょっと残念で。群舞と歌のシーンから台詞中心の対話シーンになったときに場の緊張感が、弱い台詞のせいで弛んじゃうんですね。肉体の説得力と、言葉の発語力とのギャップ。これ、実は総合芸術の永遠の課題かもしれません。

それにしても台詞って難しいね。「語りもの」ってうたってたから、ちょっと期待してたんだけど。

日本語表現で、パフォーミングアーツと呼ぶに足る発語方法って、この先どんな可能性があるのだろう。テキストの新奇さに頼るのではなく、多ジャンルからの(ラップとかからの)引用に頼るのでもなく。ましてや、日常口語会話をなぞるのでは決してなく。

大阪まで文楽を観に行きたいな。そして出来ることなら能や文楽、歌舞伎を通いつめて観てみたい。地歌舞伎や、全国の神楽を訪ね歩いてみたい。日本には世界に誇るべき無形文化遺産が実にたくさんあるのだから。

  • 2012.07.28 (土) 07:35
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  • Yasuhito YANO