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ベケット演出ノート(1)/死者

生は死という“終わり”があるゆえに生足りうる。

生者は、死という“終わり”があるからこの不条理で価値のない生に意味を見いだそうとし、見いだし、生を全うすることが出来る。

ベケットの「芝居」に登場する人物たちはみな死者だ。

死者は死者であるゆえに終わりがない、ということの途方もなさと向き合わざるを得ない。

死があるからこそ見いだせる生の価値に、意味に対して、死者は決してそこにたどり着けない。それゆえにベケットの描く死者は、圧倒的な“存在”の不条理を差し示す。

しかし、つまり生に意味なんてない、なんてことは、

ベケットはそれを指し示しているのだと思うのだが、

そんなことには我々はとうに気付いてしまっている。

我々はそこから始めなければならない。そこから始めて如何にベケットを読み直すか。

という、ここまでを書きながら、生とか死とか、

存在の不条理とか、

そんな言葉を想念を振りかざすことの空虚さにも、私たちは気付いてしまっている。

そんな場所から如何にして新しい物語を語り直すか。物語の終わってしまった世界で、それと知りつつ如何に物語を語り始めるか。

私たちの立たされている地平はそんな場所だ。

先ずはそのことをしっかりと見つめ直すことから始めたいと思う。

感傷を捨てて、残酷に、無慈悲に。

重要なのは、生の手触りだ。

意味や価値とか、言葉とか概念でなく。

生の手触りをまっすぐに感じられるような時間を紡ぎたい。

そこにだけ救いがある気がする。

  • 2011.03.21 (月) 00:34
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来週25日(金)に静岡入りします。

一昨日のskype会議(企画会議)で正式に決定しました。

La+Labo. 3/25(金)-31(木)予定通り実施します。演出ノートや、静岡入りしてからは稽古場の様子など、おいおいアップしていくと思いますが、取り急ぎご報告までに。

  • 2011.03.19 (土) 13:05
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La+Labo. 3/25(金)-31(木)

今日(3/15)は劇団の基礎稽古。夕方から集まって、小人数だったけれども各自のストレッチと全体での呼吸法、メソッドを丁寧に行いました。新しい参加者が一人いて、彼はダンサーなのだけれども、彼が参加してくれたおかげで日頃自分たちが行っている訓練について、改めて言語化したりする作業が出来てとても面白かった。

僕らは来週末、静岡県は舞台芸術公園に一週間籠って短い作品の滞在制作を行う予定です。明後日、skypeで最終確認のための会議がありますが、きっと実現するでしょう。

今回の企画は公演というよりも、今、演劇に、芸術に何が出来るか。演出とは何か。劇団とは? ということを、若手カンパニーで演出を業としている者同士が集まって、お互いの稽古を見、創作プロセスを公開し合いながらディスカッションをし、他者の表現と自己の表現の言語化に挑み、それぞれの成果をよりブラッシュアップしていこう、という、いわば演出家と俳優のための「虎の穴」企画です。

宮城SPAC芸術総監督から事前に提示されたテーマは「神」。この大きな言葉とどう向き合うか。

テーマから導き出された戯曲は、

shelf → S・ベケット「芝居」
花傳シアトリカルアートカンパニー → 平田オリザ「S高原から」
一徳会/K・A・G → ソフォクレス「オイディプス」
劇団渡辺 → 泉鏡花「天守物語」

というラインナップ。

戯曲を選定したのは、第七劇場の鳴海君と、百景社の志賀君。これらの戯曲を、上記4カンパニーの演出家が静岡県舞台芸術公園に5日間滞在して、最終日までに20分程度の作品に仕上げます。主催はSPAC、成果発表は、3/30(水)19:30~@BOXシアター。限定70席完全予約制、観劇無料の発表会です。

お問合せ・ご予約は劇団渡辺まで。
TEL : 090-7687-3070
E-mail : gekidanwatanabe@yahoo.co.jp

芸術公園までは、東静岡駅前から路線バスが出ています。(バスの時刻表は追って掲載します。)いつものことながら一人でも多くの方に、劇場に来て欲しい。お時間ある方は是非。ご来場心よりお待ちしております。

  • 2011.03.16 (水) 01:15
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コメント一覧

| yasuhito url (03.20 17:44) 編集・削除

3/20(日)、いろいろ考えて少し文面を書き直しました。日記なのに後から手を入れるって、ちょっとおかしな感じですけれど、以前の文面に違和感が拭えなくて。

いろいろと考えています。考えたことを忘れないように、日々のことを出来るだけ記録に残していこうと思っています。

| yasuhito url (03.30 10:48) 編集・削除

上の日記でバスが出ます、と書きましたがカンパニーの車による送迎になります。18:45東静岡駅発。お問合せ・ご予約は劇団渡辺まで。TEL : 090-7687-3070

La+ laboratory #1 in Shizuoka 2011.3.25-31

そう。まだ劇団サイトなどでは公式リリースしていないのだけれど、3月末に20分ほどの短編作品をSPACの静岡県芸術公園で発表します。

制作の一から5日間合宿形式で行う滞在制作公演です。戯曲の決定が2月25日の予定。(実は、ひそかに出演者若干名募集中です。ご興味ある方は是非ご連絡ください!)

ちなみにこの企画、参加カンパニーが合計6つ。

百景社(茨城)、及び第七劇場(東京)がSPAC芸術監督宮城聰氏の設定したテーマに従って戯曲選定を行い、残りの花伝【KADEN】シアターカンパニー(東京)、一徳会/K・A・G(千葉)、劇団渡辺(静岡)、shelf(東京)という4カンパニーが作品制作を行う予定です。

もともと宮城さんの提案&ご厚意で始まったこの企画。SPAC芸術公園の空いている時期を使って合宿を行って、お互いの演出だったり集団性だったりを練磨しあう機会を作ったらいいんじゃないか? という通常の公演とはちょっと色合いの異なる企画公演です。そもそも公演という体裁すらとらずに一般の観客を入れずクローズガチンコでやるべきじゃないか? という話も出ていたくらいで…

企画の詳細・制作を行っているのは、La+(我々6カンパニーの演出家の集まった名称です。)なのですが、やっぱり舞台は製作者だけで作るものではないということ。観客がいて発生する緊張感こそが舞台の醍醐味であるし、舞台は観客とアーティストとで一緒に作るものだから、と、限定70名で一般のお客様にも企画に“参加”して頂けるようになりました。

しかし乱暴な企画でもあります。お互いに長く作品を観あって来ていて、幾つかの共同作業も経てきている6人が、お互いに課題戯曲を出し合い、時間を5日間に限定してよーいドンで、作品制作をする。もちろん台詞を覚えて貰うために構成台本などを事前に配布しておくことは可能なのですが、そして制作する時間も20分以内という条件が付いているのですが、それでも短い。かなり短い製作期間です。演出的にも瞬発力が問われる。朝から晩まで、演劇漬けの日々になること間違いなしです。僕らはこの企画を通称“虎の穴”と呼んでいるのですが、とても楽しみ。

ちなみに人に戯曲を決めて貰うのは初めての経験なので、これもなんだかとっても楽しみ。やたらテンションが上がってます。さて。どんな戯曲が当てられることやら。

  • 2011.02.19 (土) 11:04
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