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第四回 『構成-A』 : (2)

で、「選択」をして、岸井さんのテクニックに従って今回、作ってみたチャートが下記のようなもの。


ファイル 317-1.gif


※参考までに、クリックするとPDFファイルにリンクします。

「選択」の回にも思ったのだけど、岸井さんの創作ワークショップ初級 『まちから作品を創る』 は、なんというか、自分の天然の「テーマ」が、(あるいはそれに先立つ「選択」の偏向が、)実に見事に炙り出される。いろいろなものが、図らずも露呈してしまう、と思います。

例えば、こんな図を見せられてもちょっと意味が分からないかも知れないし、それ以前に、そもそも自分以外の人間にこんなもの、興味持ってもらえるのかどうか分からない(だって、ひょっとしたら自分自身の占いの結果とか、生い立ちなんかを語って聞かせるようなものだと思うから。)のだけれど、

それでも一応、解説をすると、真中にある「直線と覆いかぶさるもの、通りぬけ」というのが、今までのワークショップでさんざん写真を撮ってきた「気になるもの」、というか、「気になるもの」に共通する要素。

で、これが、「1. 観察の結果選択した言葉」になって、

そこから、連想するものを20個以上付箋に書き出したのが、他の19個のワードになります。

抽象度の高い言葉から、具体的な名称までいろいろあるけど、それらを先のチャートにまとめるためのテクニックに従って順に配置していったものが、上の図。で、先のノートにあるように、

8. 構成順としては、「△の2番目」→「×の一番上」→「○の一番上」→「△の一番上」とすると、テーマが伝わりやすい

「△の2番目」にあるワード群=ここでは、「直線と覆いかぶさるもの、」 「川(水の流れ」「水道」 「トンネル」 「半円」 「異界への入り口」 等といったワード、この具体的なイメージを入口に、これらをモチーフにいったんネガティブなイメージ=「一方通行」や「産道」に振っておいて、(これがネガティブなイメージなのは、あるいは反対側の「墓」とか、「提灯」とかがポジティブなイメージなのは、繰り返し岸井さんにも問われたのだけど、個人的にどうにもそうとしか思えないのだからしょうがない。)

そのあとで、ポジティブなイメージのほうへ振り返し、最後に△(ニュートラル)で一番重要(important)な「立ち止まる」(これが僕の作品のテーマ!)に至るように作品を「構成」するとよい。 というのが、今回の、僕(の創作)について、チャートを作ってみて分かったこと。

且つ、次回へつながる内容なのだけれど、それよりも、先にも述べたように、自分の、(今現在の、)天然のテーマが炙り出されたことが、何よりも大きな収穫でした。

今回は。

だって、「立ち止まる」なんて、言葉を変えると(最初にこの言葉を書き出したときには、そんなこと思いもよらなかったのだけど、)「立ちすくむ」という言葉に置き換えられる。とすると、これ、実はここ数年の創作上の最後の、作劇上のオチとでもいうべきような、ビジョンそのものなんです! 内緒に(?)してたんですが、いつもそんな、ここ数年の作品はそんな、(具体的には「振り返る」という)俳優の仕種で芝居が終わっていたんですね。吃驚。

そのほかにも、空間のイメージについては、昔から(これはずっと以前から意識的ではいたのだけれど、)「ひもろぎ」のイメージ、あるいは直線で区切られた「領域」というイメージを繰り返しモチーフとして使って来ていて、

近年のshelfの舞台作品を見たことがある方には、了解いただけるかもしれないけど、分かりやすいのは、えい。この↓美術ですね。

ファイル 175-1.jpg

あと、これ↓も。舞台空間を白いリノリウムで区切っているんですが、

ファイル 193-1.jpg


今まで繰り返し多用してきた空間に対するイメージというかモチーフというか、が、そもそも自分の天然の「選択」であって、またその先には、隠された自分の「テーマ」があって。

というのが、繰り返しになるのだけれど、今回のワークショップを通して浮き彫りにされた。というのが、今回のいちばんの感想です。

怖いなあ。本当に怖い。

でも、でも、その先に行くべき方向性も、今回のワークショップで少しだけ見えて来ていて、というのも空間的なイメージでは、これもそれと思わず書き出していたのだけど、「橋」というワードがあって、これはそもそもの「直線と覆いかぶさるもの、通りぬけ」からまっすぐに出てきたワードなのだけれども、あるいは「異界への入口」というワードともこれは響き合うのだけれど、能の舞台の「橋がかり」、これをきちんと自分の空間造形のなかに、意識的に折り込むことが出来ればいいのではないか。という。

昨年の利賀のコンクールで高い評価を頂いたのも、劇場というブラックボックスの中で、ではなく、野外という「選択」の幅の広い空間で、半ば無意識的に上手、と下手に「抜け」のある空間配置を選んで、それで2枚上の写真のような舞台を設営したのだけれど、

それが功を奏してか、審査員の皆さんからは、舞台を見ていて、まるで上手のハケ先が橋がかりのように感じられた。空間がとても豊穣だった。というような評価を頂いたんですね。

なんて、こんなことを書いていてもやっぱり僕以外の人には、この可能性の発見の歓びは、きっと共有はして貰えないだろうと思うのだけど、ともかくも言いたかったのは、

岸井さんのワークショップ。面白いです。

ということ。リンク先には「potaliveに興味のある方から、創作・表現に興味がある方、悩みがある方までが対象です。」とあるけど、自分自身の創作方法について、一歩引いて、一度、客観的に見直してみたい方には、本当にお勧めです。

機会がありましたら、皆さんもぜひ。

  • 2009.04.15 (水) 01:02
  • Permalink
  • ワークショップ 『まちから作品を創る』
  • Yasuhito YANO

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