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第四回 『構成-A』 : (1)

岸井さんとのワークショップ四回目。今日のワークショップは岸井さんとのマンツーマンでした。他の人との差異が確かめられなかったのはちょっと残念だったけど、非常に充実した、ある意味逃げ場のない(笑)4時間。

それにしても前回からずいぶん間が空いてしまった。(調べてみたら前回は2008年6月、ほとんど一年前!)その前回までの「作品」→「観察」→「選択」 という流れを引き継いで、今日と来週にやる最後の二回のタイトルは「構成」。今日はその一回目で、「構成は、まずテーマです。創作のために使えるテーマの発見プロセスをたどってみます。」という内容。例によって歩きながら、選択をしていきましょう。ということで、いつものようにお散歩しながら話をしたり、写真を撮ったり。

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最初に歩きながら、「テーマ」という言葉にどんなイメージ、や、意味合いを持っている(持たせている)か。という話をしたのだけど、というのも、例えばアゴラの周りにいる若い演劇人だと「オリザさんが要らないものだ、と言っているものです。」という生真面目な印象があったり、あるいはある年齢を超えると、共産主義的な目標が出て来てしまったりするらしく。

どうも、世代や、環境によってずいぶん「テーマ」の捉え方が違うんですね。

で、僕はと言えば、テーマっていうと、先ず、テーマ=音楽用語というイメージがあって、どちらかというと自分の現場ではあんまり使わない。敢えて近しい言葉を探せば、「コンセプト」とか、「モチーフ」という言葉を使うことが多いかも。

このことについては、岸井さんに聞いて初めて知ったのだけど、音楽用語というイメージはあながち間違っていないらしく、というのも「テーマ(theme)」という言葉を最初に芸術の文脈に持ち込んだのは近代の音楽家たちで、音楽における主題、即ち楽曲を作る上での中心となる旋律、あるいはリズム上の特徴ある音の列なりを指したのが、そもそもなのだそうです。

それはそれとして、じゃあ、テーマって何? って考えると、例えば戦争映画があって、その映画の主役がある恋人たちだとして、

そこで、「恋人たちを題材に、戦争の悲惨さを描く」のだとしたら「恋人たち」が「モチーフ」で、「戦争の悲惨さ」=「テーマ」になるし、逆に「悲惨な戦争を背景に、恋人たち(の愛)を描く」のだったら、(それはどちらもあり得るし、ある意味まったく同じシナリオで、どちらとも描くことが出来るのだ!)「戦争」=「モチーフ」で「恋人たち(の愛)」=「テーマ」となる。

と、考えると分かりやすいのだけれど、言葉を変えれば、「テーマ」=「作品を通して伝えたいこと」であり、逆にそれが伝わらないと「作品」を「構成」する意味がない。

というのが、岸井さんの創作ワークショップでの考え方。もちろん、そこまで断言はしていなくて、岸井さんのノートを引用すれば、(ちょっと長いけど、)


● 『テーマ』 とは、 『誰が何を選んだか』 である。

● 『テーマ』 は、
 選択したものと近いものを観察し、
 連想するものを多く集めながら、
 言葉に落として決める。
(テーマを決めたら代えないことが重要です。)

●作品構成は 『テーマ』 を、伝えることが目的
・したがって、作品の構成は既存の構成(起承転結とか、理論順、歴史順、AA’BA、グラン・パ・ド・ドゥなど。)に流し込むのが基本です。尊敬している作家の構成をパクるのはアリです。
・もちろん、構成までクリエイト出来れば理想ですし、それについては次回の構成-Bでやります。が、労多くして得るものは少ないです。あまりお勧めしません。

●作品構成をするためには 『テーマを伝える』 ことに集中するとうまくいくことが多い。
これは型(結果をまとめるための便利なテクニック)なので、あまり気にしないでもよいです。以下は、私が一番使う方です。

テーマと構成を決めるテクニック 『チャート』 の作り方。
1. 観察の結果選択した言葉から、連想するものを20個以上付箋に書き出す
2. A3の紙をたてに3分割し、左から「×」「△」「○」と書く(negative neutral positiveのことなので、そちらのほうがピンとくる方は、そちらでどうぞ)同じ紙の左端に上向に「>」を書き込む(上がimportant、下がnot important)
3. 選択した言葉を、付箋に書き、△の一番上に貼り付ける
4. 付箋を○ △ × に分類する
5. ×→○→△の順に重要な順に並べる。×や○を並べ終わったとき、一番上と一番下が△でないかチェックする。また、△の一番上の言葉が、連想したほかの言葉より重要かどうかチェックする
6. 左右を見て、関係のあるものを横に並べる
7. △の上に来ている言葉が、あなたのテーマ
8. 構成順としては、「△の2番目」→「×の一番上」→「○の一番上」→「△の一番上」とすると、テーマが伝わりやすい

ということになる。

参考)
第三回 『選択』:
第二回 『観察』:
第一回 『作品』:
創作ワークショップ初級 『まちから作品を創る』

  • 2009.04.15 (水) 00:39
  • Permalink
  • ワークショップ 『まちから作品を創る』
  • Yasuhito YANO

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