14:30-16:30 俳優のからだを空間に馴染ませるために現場でいつもの10カウント、メソッド(簡易版)ほかもろもろのチューニング作業。それから衣装なしで冒頭から場当たり。相変わらず二巡目の洋志のシーンで手こずる。
こっそりやるつもりが、どうにも落ち着かなくて客席だけ設営。家具の浜野さんからみんなで椅子と機材を手運び。会場が昔池だった場所なだけあってか、作業中も稽古中もやぶ蚊の猛攻を受ける。ベープも虫除けスプレーもまったく役に立ちゃしない。
15:30- ビデオ撮影に入ってくれる予定の精華大学の四回生Tさん合流。
16:30- 仕込みを手伝ってくれるSさん合流。そこから機材の設営をこっそり開始。
17:00- 陳さんが合流。猛烈な勢いで音響、照明の配線をしていってくれる。とても助かる。おかげで僕はオペ卓周りの準備に集中出来た。ところが、いざ配線が終わって、17:40- 照明チェックをしようとしたら照明が着かない!
何しろ最寄りのコンセントから150m近く幾つかのドラムを繋いで引き回していた電源。慌てて一つずつ、ドラムやコードを通電チェック。陳さんがかけずり回ってくれて、コンセントにいちばん近い場所に使っていた下鴨神社から借りていた50m巻きのドラムが断線しているらしいことが判明。すかさず陳さんやSさんが神速で! 念のために、と陳さんが予備に持って来てくれていた延長コードを幾本も継いで、なんとか会場までの電源を無事確保。
ところが今度は、照明はついたけどスピーカーからまったく音が出ない…。ピンケーブル、ミキサーを疑って、スピーカーに直接iPhoneに繋いでみても、電源ランプは点灯するのに、何をどういじっても音が出ない。一体どうしていいか分からず一同ただただ困惑。この時点で既に開演5分前。取り敢えず俳優たちには衣装に着替え、待機していて貰う。
観客がだんだん集まって来る。
「今しばらくお待ちくださいー!」とアマノさんのかけ声が響く中、もうコレはスピーカーを諦めてラジカセから出すしかないか? と、陳さんにお願いして手配に走って貰っていた間に、助っ人で来てくれた陳さんの友人ディーノ君がふと、
「電圧は? 照明もハロゲンにしてはちょっと暗いんだけど。」
「…あっ!」
と、ここで慌てて全照明を落として、サウンドチェック再試行。無事にスピーカーから音が出た!!
どうやら電圧不足だったらしい。スピーカーの通電ランプが点灯してたからって、つい、騙された。とにかくこの時点で、今回は照明なし、音響のみで上演しよう! と判断。ようやく上演の可能性が見えた。
幸いまだ日の明かりもある。少し前から舞台に板付いて貰っていた俳優たちに開演のきっかけを伝えるために、(客入れ音楽の終りが開演キューだった。)客入れ中に流す予定だった音楽を流しつつ、関係者に事情と状況を説明、観客に対してもちょっとトラブルがあって照明が着かないこと、開演時間が遅れたことをお詫びしてから、ようやく開演のアナウンス。
明らかにトラブってるのが伝わってしまっていて少し前から不安そうに事態を見守っていた客席と、なんだか奇妙な一体感が生まれつつ、開演を告げる言葉に温かい拍手を頂きながら18:50- 無事、開演。