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京都新聞の記事

終わってしまった公演だけれども、「私たち―」の公演と shelfの紹介記事を京都新聞が 10/20(火)に掲載してくれていて、帰京してから自宅に届いていていたのを読んだのだけど、これがまたずいぶん大きく取り扱ってくれていて、とても嬉しかったのだった。


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取材をして貰ったのがワークショップで訪れた6月、その段階ではまだ構想段階だったことも含めて、しかしとても丁寧に聞き取って下さって。その後の名古屋公演や東京公演の様子を(おそらく)調べて書いて下さった記事、だと思うのだけど、記者の記事に対する愛情をとても強く感じました。

伝えなければならないのは、単なる「情報」じゃあないんだよなあ。



注目劇団 shelf
23日から今日で関西公演
イプセン最後の戯曲

古典を現代に重ね合わせ、大胆に再構成する手法で注目を集める東京の劇団 shelfが23~25日、京都市左京区のアトリエ劇研で初の関西公演を行う。ノルウェーの劇作家イプセン最後の戯曲「私たち死んだものが目覚めたら」を上演する。
 shelfは「青年団」出身で新進気鋭の演出家矢野靖人が2002年に結成。「人形の家」で知られるイプセンやカレル・チャペック、ギリシャ悲劇など個展、近代戯曲を読み直す試みを続けている。
能舞台のような静謐な空間で、俳優の「語り」に力点を置きつつ戯曲の本質をあぶり出す手腕は評価が高い。
 「私たち―」は、老彫刻家とモデル、若い妻の関係を軸に、作品をつくる、子どもをつくるということの意味や、人と人との断絶などを描いた作品。
 矢野は「古典やヨーロッパの近代戯曲には圧倒的な他者が存在するのが面白い。現代の新しいパフォーマーが上演することで、古びることなく、新しい表現が生まれるのでは」と語る。「特にイプセンは、人間の自我や自意識が戯曲に書かれるようになった過渡期の作家。人間関係の断絶や疎外感というテーマは今もリアルな問題だと感じる」
 出演は川渕優子、阿部一徳、片岡佐知子ら。全4公演前売り2500円(当日500円増)。アトリエ劇研 Tel 075(791)1966
(森山敦子)

shelf10月公演ツアー全日程が終了しました。

9月1日から一ヶ月間の稽古期間を経て、10月まるまる一ヶ月近くに渡って行ったshelf第10回公演。名古屋、東京、京都と三都市を巡った、shelfとして初めての長期公演でした。おかげさまで合計20ステージ、820名を超えるお客様にご来場頂くことが出来ました。本当に有難うございます。

東京でやっていても同じなのですが、他地域に行くとよりいっそう、自分たちの活動がじっさい多くの人々に支えられ、ようやく成り立っているものなのだ、ということを強く実感します。特に京都公演の成功は、名古屋のように自分の生地でもなければ縁も所縁もないなかで、よくぞあれだけ多くのお客様にご覧いただくことが出来たものだと思います。

ギリギリまで広報・宣伝にご協力頂いたアトリエ劇研のスタッフの皆さんをはじめ、こちらのお願いに快く応じて下さって、授業やブログで本公演をご紹介下さった小暮宣雄先生、京都の老舗劇団や劇研ラボの生徒さんたちを集めて下さったトーク・ゲストの平岡さん、ギャラリーや美術館の関係者を紹介して下さったアマノ雅広さん、京都新聞の森さん。そして当日フロントスタッフとして公演を支えてくれた高澤さん、坂しおりさん、森衣里さん。他にもたくさんの、本当にみなさん一人ひとりのお力添えがなければ、まったく成り立たなかった公演だったと思います。

改めてお礼を申し上げます。本当に有難うございました!


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写真は京都公演最終日、午前中に立ち寄った宿泊先近くにあるギャラリーにて。

ここで個展を開いている現代美術作家の Chris Nelson さんが、前日の公演を観て下さっていて、折角のご縁だから、と、スタッフと劇団員みんなで立ち寄ったときのもの。(劇場入りまであまり時間がなかったったので、無理を言って少し早めにギャラリーを開けて貰ってしまった。有難う、ネルソンさん。)


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Chris Nelson Solo at Gallery YURAGI
http://www3.atword.jp/inscape/2009/09/29/chris-nelson-solo-at-yuragi/


ネルソンさんの作品は、空間を再定義するようなサイトスペシフィックなインスタレーションがメイン。今回も、薄いプラスチックのフィルムを素材に、羽衣のような細長い紐が庭園にゆらぎ光を反射して風景を映し出すものと、室内でほとんど風などないのに人の動きにあわせて空間の揺らぎを可視化させるもの、などで、

彼の言葉を引用すると、

鑑賞者は、自分と作品や空間とのつながりを意識することができます。作品は、鑑賞者がどのようにギャラリーに入り、どんな方法で作品に近づくかにより、直に反応します。鑑賞者の動作は、目に見えない空気の動きを作り、そしてそれはアートによって可視化されるでしょう。一方、半透明のプラスチックは、光や背景にあるものによって表面の色が変わります。これにより、新たに作品と空間、作品と鑑賞者の関係を深めることになります。

という部分がとても面白く。慌しいツアーの最終日に、このような日常の微細な揺らぎを再認識することの出来るような作品に出会うことが出来て本当に良かった。忙しさにかまけて、本当に大切なものが何なのか、それをともすればつい、忘れがちになっていたことを思い出しました。

ネルソンさんとは、彼が舞台芸術とのコラボレーションにも興味があるとのことで、だったらいつか是非! と、連絡先を交換し合ってから別れる。

本当に再会を願いたい。取り敢えずお礼のメールをしなきゃ。

  • 2009.10.28 (水) 22:52
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  • Yasuhito YANO

京都公演、無事に初日が開けました。

同じ演目を何ステージやってても、初日はやっぱり初日ですね。空間も違えば土地柄によって客層も違うし、出てるわけでもないのに、いやはや。無駄に緊張しました。

いや、むしろ逆に舞台に出てるわけじゃないからこそ、(見ているだけで何も出来ないから、)緊張するのかも知れないのだけれども。

まあ、何はともあれ無事に幕が開いて良かった。いい初日でした。

それにしても6月のワークショップに参加してくれた人たちが今回、何人も観に来てくれているのが本当に嬉しい。当日券のお客様もこちらが思ってた以上にいらして下さった。有難い。おかげさまで、初めての土地なのにもかかわらず、ほぼ満席の状態で初日を迎えることが出来ました。

京都公演についてもポスト・パフォーマンス・トークが二日間あって、初日のトーク・ゲストは小堀純さん、司会が田辺剛さん。田辺さんの司会には毎回本当に助けらる。C.T.T.の合評会のときにも思ったのだけど、間合いの取り方が絶妙で。関西人だなあ、と思う。

小堀さんは、関西演劇界で最も有名な演劇人の一人。基本はライターで編集者なのだけれど、70年代にまだ名古屋でしか知られていなかった北村想さんの処女戯曲集を出版したり、OMS戯曲賞の企画・進行をしていたり、現在は精華小劇場の「精華演劇祭」実行委員長もしていらっしゃったりするという、いわばプロデューサーでもあるお方。

「余白」についての話がとても面白かったな。編集の話から、余白が的確にあると言葉が際立って、文体はかえって饒舌になる。という話になって、そこから更に今回の舞台装置について、空間と時間の余白についての話にまで発展して。

お酒が大好きな方で、だけど、車の運転があったので一緒に飲めなかったのが唯一の心残り。次にお会いした時は是非ともご一緒させて頂こうと思う。小堀さんには打ち上げの席で、この人の戯曲を演出してみてよ、と、何人かの劇作家を紹介して頂く。こういったご縁は本当に有難い。帰京したらさっそくあたってみようと思う。

明日のトーク・ゲストは俳優の平岡秀幸さん。トーク・ゲストに俳優を迎えるのは初めてなので、どんなお話が聞けるかとても楽しみ。

今日で都合17ステージが終わって、この作品も残りあと3ステージ。泣いても笑っても明日と明後日ですべてが終わる。もちろん、作品を作るときはいつも、再演、再々演と繰り返し上演するつもりで制作してはいるのだけれど、

まずはともかく残りの一回、一日をとにかく大事にしていきたいと思う。

  • 2009.10.24 (土) 02:43
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  • Yasuhito YANO

舞台写真2 shelf10「私たち死んだものが目覚めたら」(京都公演)

空間の違いか、ライティングの違いか。きっと写真家のセンスの違いがいちばん大きいと思うのだけれども、どの写真も陰影が深くて、余白というか、闇が美しくて。俳優の何気ない表情も、何を想っているのか、何を見ているのか。見ているこちらの想像力が膨らんで、どれも素敵な写真ばかりです。


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男1/アルノル・ルーベック教授 ―― 阿部一徳 Kazunori ABE

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女1/マイア・ルーベック ―― 片岡佐知子 Sachiko KATAOKA

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男3/ウルフハイム/語り手 ―― 山田宏平 Kohei YAMADA

撮影/アマノ雅広

  • 2009.10.23 (金) 11:30
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舞台写真1 shelf10「私たち死んだものが目覚めたら」(京都公演)

shelf新作10月ツアーも最終地、アトリエ劇研での公演が本日初日を迎えます。京都はもうずいぶんと朝晩が冷え込みますね。夜は毛布が必要です。

本当は昨日のうちに場当たり、ゲネプロを済ませて夕方入りでOKの筈だったのが、ゲネプロ終了後、どうしても芝居に奥行きが足りない! これは空間的な問題が大きいのでは? ということで、スタッフに無理を言ってゲネプロ終了後にリノリウムの敷き直しと照明の吊り直しを決行。作業が翌日にこぼれたので、今日は朝から劇場入りして照明シュートの続きをしています。

でももう終わったかな。

さすが、仕事が早いな則武さん。素晴らしい。

しかし本当に、空間が違うと芝居は変わりますね。七ツ寺共同スタジオ、アトリエ春風舎と来てアトリエ劇研は今まででいちばん間口が広く、且つ舞台側の壁面に柱や階段もなく、また劇場の立端もあるので、転がしを始めとした照明の印象が、同じ仕込みでもずいぶ違う。その空間にどう、芝居の奥行を出していくか。という点で、今回はちょっとばかし苦戦しました。装置がほとんどないので、リノの敷き位置が10cm前後するだけでずいぶんと空間の印象が異なってくる。

今回の失敗は客席を組む前にリノの位置を決めてしまったこと。東京でも似たようなミスを犯したのだけど、美術家がいないとこういうところで手戻りが発生してしまってダメですね。演出業、まだまだです。ひとり反省。

それでも最終的には、まずまずの空間が設営できたんじゃないかな。観客の皆さんには、劇場の闇の深さをうまく体感して貰えるといいなと思う。

広報・宣伝も大詰め。何とか100人超のお客様にはご覧頂けそうだけど、まだまだ出来ることがある気がする。京都新聞には今週の火曜日(10/20)に公演記事が掲載されたらしい。(未入手なのでお持ちの方がいらっしゃいましたら教えて下さい。)

京都橘大学の小暮宣雄さん始め、トーク・ゲストの平岡さん、劇研スタッフの方々などいろいろな方が声掛けをして下さっている。6月に劇研でやったshelfワークショップの参加者も、いろいろと声をかけたりしてくれているらしい。小暮先生、下鴨車窓の田辺剛さんはブログでも公演のことを紹介して下さった。

この週末はこのお芝居を
http://kogure.exblog.jp/9138134/

マレビトの会、shelf、自分の稽古
http://blog.tana2yo.under.jp/?eid=765088#sequel

小暮先生や昨日写真を撮ってくれたアマノさんは大学の授業でも紹介して下さっている。

本当に有り難い。

さあ、開演まで後8時間。

写真はアマノさんが撮ってくれたゲネプロの写真。ひとつ後のエントリとあわせて一部公開。どの写真も陰影が深く、余白がとても美しいです。


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撮影/アマノ雅広

  • 2009.10.23 (金) 11:00
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