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終わった!

「東京舞台」LIVE版、無事に二日間、2ステージを終えることが出来ました。やあ、終わったよ! 今日ようやく8団体全演目を観ることが出来たんだけど、いやはや、どれも面白かった。キャパ800超というバカでかい空間をどう使っているか、得手不得手、上手い下手はあるかも知れないけれど、どの団体もみんな自分たちの得意なことだけをやっていて、その潔さが気持よかった。そして8団体、みんなどれも全然違ってて。いい企画だったと思います。とてもいい企画に、こうして参加させて貰えたことに今はただ、感謝×感謝! です。そして出来ることなら、今後の活動で、総合プロデューサー宮城さんの今回の僕らに対する期待に、全力で以て応えていきたいと思います。

作品の振り返りはまた改めてするとして、今日は本当に感謝の気持ちでいっぱいです。勿論、時間を割いて観に来て下さったお客様にも!

有難うございました!

  • 2009.11.29 (日) 20:44
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  • Yasuhito YANO

ここ数日の記録など

青年団制作野村君の先日のシンポジウムのまとめが面白い。メモ書き程度のものかもしれないけれどとても読み応えがある。

 11/25「文化芸術による人づくり、社会づくり、国づくり」シンポジウムまとめ(1)
 http://psycolloid.exblog.jp/9307987/
 〃(2)
 http://psycolloid.exblog.jp/9308001/
 〃(3)
 http://psycolloid.exblog.jp/9308217/

助成金の申請書作成などの作業は一段落したんだけど、来年度以降の、あるいは今後の長期的なshelfの企画、事業(の方針)についていろいろと思索を巡らせている日々。10月公演が終わってからずっと酷いウツだったのがここ数日少し、和らいで来ている。相変わらず夜は眠れないのだけど、朝が起きられるようになった。

ウツが快方に向かっているのだとしたら、自分の中でこの10月に対して総括、というか、ある種の見切りをつけることが出来たのが大きいのかもしれない。振り返ってばかりいられない。前を向いて、少しずつでも歩み続けなければ。

アジア舞台芸術祭のほうは、まあ、順調といえば順調。一昨日(11/25)初めて中ホールの舞台に立って、明かり作りをした。正味10分程度だったけど、俳優にはいい経験になった様子。空間はやっぱり体感しないと本当のところは分からない。稽古場でどのくらいの空間をイメージして稽古が出来るか、それが勝負どころなので。今回は特に。何せキャパ800人超の劇場なんて、どう立ち向かえばいいのか頭の中で考えてるだけじゃどんなからだなんだかまったくイメージが湧かない。

この日は明かり作りだけ付き合って、稽古はOFF。20:30頃に池袋を後にして、衣装合わせに竹内さんの家@谷中へ。谷中、数度しか行ったことないけどいい町です。今度ゆっくり遊びに行こう。

衣装については、今回、戯曲と演出プランだけでなく劇中で使う歌にも触発されて作ったとだけあって、かなり今までの shelfとはとイメージの違う衣装に仕上がっていると思います。お楽しみに。

で、昨日(11/26)の稽古場では先日稽古で川渕からアイデアを貰って、最後に別な作家(日本人)のテキストを付け加えることにした。ので、それを早速試してみる。

今回の演出は、事前に「音楽」を1曲使うことを指定されていたこともあって、どうせ使うなら、と、演出の主モチーフに沿った選曲を稽古開始前にまやさんにして貰っていたのだが、

と、そうそう。まやさんには今回から、次回の新作も含めて、音響だけでなくshelfのドラマトゥルクもして貰うことになったのだった。有り難い。やって貰っていることは今までとそう変わらないのかもしれないけれど、心強いスタッフが一人増えた感じ。

で、選んだ曲がshelfでは初めてかもしれないのだけれど、や、きっと初めてだな。“日本語の歌詞”のある曲。

エウリピデスの「トロイアの女」を書き改めた、サルトルの「トロイアの女たち」をメインのテキストに使いながら、それ(=「トロイアの女」)を上演するものとしながら上の楽曲のような別の歌詞、あるいは最後に追加した日本人作家、って、まあ伏せる必要もないので書いてしまうと有島武郎のテキストなんだけど、そういった戯曲以外の他のテキストを幾つも折り込んで一つの作品に構成していく、という作業は初めての経験。

同じ作家の言葉を異なる作品からかき集めた経験はあったけど、これがまたそれとはちょっと違う手応えがあって、ちょっと楽しい。

編集? 違うな、自分の核になるビジョンに次々とイメージの注釈を付け加えていっている感覚。演出の手続きとして、今までと違う、ちょっと新しい作り方を手に入れつつある気がする。あくまでも自分の中で新しい、というだけのことだけれど、来年度以降今までよりずっと「構成」を前面に押し出した作劇を考えているので、これはちょっといい感触だ。

  • 2009.11.27 (金) 14:00
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  • Yasuhito YANO

コメント一覧

| コーヘー url (11.27 23:20) 編集・削除

明日からの池袋、残念ながら観られません(稽古場も行かれませんでした。残念)。無事を祈ります!
10月公演を「終える」ことが出来たようで何より。どんなにいい公演にもダメージはつきものだからね。気が向いたら振り返りつつ、てくてくと進んで行きましょう、お互い。では!

| ysht.org url (11.27 23:52) 編集・削除

矢野です。こーへーさん、コメント有難うございます、ご無沙汰してます!

10月公演、なんかこう、身体に未練みたいなものが残ってしまってて、それを拭い去るのにずいぶん時間がかかってしまいました。旅公演で三都市巡ったのは勿論、合計20ステージもという、あんな長いあいだ公演やっていたのも初めての経験だったし、いろいろと初めて尽くしで疲れも出てしまってたんだと思います。

いやでもホント、いい経験をさせて貰いました。今はずいぶんと、心身ともにスタミナがついた感じがしています。こーへーさんにも皆さんにも本当にお世話になりました。

明日からの「東京舞台」LIVE版、朝からドタバタのスケジュールですが、二日間、いいステージにしたいと思います。ご覧いただけないのは残念ですが、又機会がありましたら是非。今後ともよろしくお願いします!

アジア舞台芸術祭2009、いよいよ本日オープニングです。

7年ぶりに東京で開催されるアジア舞台芸術祭2009 IN TOKYO、shelfは今回、そのうちのショーケースイベント「東京舞台」LIVE版2009に参加します。

ファイル 469-1.jpg

  アジア舞台芸術祭ショーケースイベント「東京舞台」LIVE版2009
  2009年11月28日(土)~29日(日)@東京芸術劇場中ホール

「東京舞台」LIVE版2009 参加劇団は、Ort-d.d、毛皮族、第七劇場、shelf、チェルフィッチュ、中野茂樹+フランケンズ、ひょっとこ乱舞、冨士山アネットの8団体。1団体が15分程度のパフォーマンスを行います。shelfは 「トロイアの女」 を上演します。

more info. http://www.butai.asia/

いよいよ今日はオープニングセレモニー&レセプション。

明日からは国際共同制作プロジェクト(各都市の芸術家グループと東京から参加するアーティストによるコラボレーション作品の上演)や、アジアの食をテーマにした<料理演劇>「アジアンキッチン」などが始まります。「アジアンキッチン」では、参加各都市の料理を題材に20~30代の気鋭の劇作家が書き下ろした短編に、東京在住の各都市出身者が出演。小ホール2のホワイエでは、提携レストランのテイクアウトメニュー(有料)も用意されています。

観劇は全作品無料! 当日整理券は開演の1時間前から地下1階の受付にて、30分前からは中ホール前の受付でも配布予定です。どの回も当日受付にいらして頂ければ大丈夫ですので、この機会に是非! 皆様のご来場心よりお待ちしております。

  • 2009.11.25 (水) 12:55
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  • Yasuhito YANO

『トロイアの女」2

今日は稽古を (図らずも) 中止にしてしまった。朝起きて、事務仕事をして…昼食を取った後から動けなくなった。まったく動けなくなって、気づいたら17:00過ぎだった。稽古開始は15:00の予定。で、それでも、あ、俺今なら動ける、と思ってあわてて稽古場に向かおうとするも、川渕から 「今日は稽古をとりました。」 のメールが…そういえば何度も電話が鳴っていた。電話が鳴っているのに、取ることができなかったのだった。

うーん。

ウツ症状でいちばんつらいのは、やる気はあるけどそのための気力が振り絞れない、ということ。

なかなか分かって貰えないんだけれど、やる気がないわけじゃないんだ。そのために必要な、からだのほうのあれこれがいうことを聞いてくれないんだ。

これは本当につらい。やりたいこと、やらなければならないことがいっぱいあって、机に向かうのだけれども、そこでからだがフリーズしてしまう。誤解をしてほしくないのだけど、これが徹底的にフィジカルな原因に依るらしいということ。脳内物質の分泌のバランスが崩れている、というのがいちばんわかりやすい説明。なのだけれど、そうはいっても仕事は待ってくれない。じゃあ、どうするか。

取り敢えず土日の日中の稽古を全部OFFにして、土日平日とも夕方以降のみの稽古にスケジュールを組み替えた。夕方以降ならどうやら動けるらしい、という経験則から、なのだけれど、家人に言われた言葉が、「自分の限界を知った方がいい。」

確かにその通りだと思う。どこまでが出来て、どこからが無理なのか。それを計算できないと、出来る筈だったことすら出来なくなる。俳優各人に謝罪の電話。みんな快く状況を察して理解くれた。こういうときに理解をしてくれる仲間がいるというのは本当に有り難い。有難うみんな。

22:00-別現場の仕事が終わったまやさんと音響についての打合せ@明大前。最初はWIRED CAFEで、其のあとガストに移動して、今回のアジア舞台芸術祭のための音響ミーティング。だったのだけれど、まやさんが今回からドラマトゥルクという仕事も始めるというので、さっそくその仕事についても今回から依頼する。

「トロイアの女」から抜粋したテキストについて。

全てを失った女が、何を恨むのか。前回のエントリにも書いたけれど、これはエウリピデスの「トロイアの女」についての物語ではなく、私たちが“失った”例えば「時代」についての物語であり、その結果としての、「運命」をどう受け入れるのか。ということについての物語、言葉にせざるを得ない怒りの感情、さりとて言葉にしたところでどうしようもない。なくしたものはかえって来ない、がしかし言葉に出さないと自分が壊れてしまう、ということ人間の心情/状況を描きたいのだ、というような話をする。

この話を受けて、まやさんから最後に流す音楽について意外な選曲の提案を受ける。素直に、面白そうだと思う。

何にしても与えられているのは15分というとても限られた時間だ。その限られた時間で、shelfの作品として社会にきちんとコミットする作品でありながら、(ショーケースという性質上)shelfのカラーを最大限に打ち出さなければならない。

演出家としての力量、度量とともにプロデューサーとしての腕力も問われる。今日はトバしてしまったけど、稽古がとても楽しみになってきた。

短い期間だけど、せいいっぱいクリエイティブで楽しい稽古場にしたい。心からそう思う。みんなよろしく!

  • 2009.11.16 (月) 02:24
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「トロイアの女」

アジア舞台芸術祭ショーケース参加作品のための稽古初日。shelf は 「トロイアの女」 を上演する。

といって15分で全編上演なぞ出来るわけもなく、終幕近くのヘカベ(と一部コロス)の台詞を抜粋して、俳優に台詞を割り、エッセンスを抽出して構成し直した小編、新作になる予定。(作品の一部分を上演、とかではなく15分の独立した作品にするつもり。)

エウリピデス 「トロイアの女」 は、2008年1月、七ツ寺共同スタジオ35周年記念企画のときに 「悲劇、断章 ― Fragment / Greek Tragedy」 として上演したことがある。この作品は今もshelfの代表作の一つだし、今回の 「東京舞台」 DVD収録映像にもこの作品のものを使用したくらいなのだけれど、

これは“直観”なのだけれど、この戯曲はしかし、今、2年前に制作したときよりもずっと時代に適している、というか、時代に必要とされている作品であるという気がしてならない。少なくとも2年前とはまったく“違う”作品になると思う。

この時代における私たちの圧倒的な“喪失”と、その喪失の原因が自然災害などでなく“人為”的なものであるという逃れ難い事実。あるいは、その恨みをぶつけようにも、これはエウリピデス本来のテキストからよりもこれを 「トロイアの女たち」 として書き改めたサルトルのその時代に対する実感に近いのかも知れないけれど、“神”は既に不在で、とうの昔に滅んでしまっているという事実――


 残忍な神々、
 おまえたちはいつでも私を憎んでいた、
 都という都のなかでトロイアだけを憎んでいたのだ。
 儀式どおりに
 祀り、犠牲を捧げたものを。
 むだだった。

 私たちが地獄の苦しみに会っているのに、
 そのように天上で笑っている。
 が、不滅の神々、おまえたちは間違いをしでかした、
 大地震ででも滅ぼされたのなら
 だれも私たちの話をしなかったろうに!
 私たちはギリシア全土と
 アジアの連合国を相手に十年戦った、
 そして卑劣な悪巧みにあって、死んでゆくのだ。
 私たちの名は二千年の後にも
 人々の口にのぼるだろう。
 私たちの名誉はやがて認められよう、
 おまえたちのばかげた不正も。
 だがどうしようもあるまい、
 とっくに死んでいようから、
 オリンポスの神々も
 私たちのように。


――私たちが失ったものとは何だったのか。今、ここに、私たちにとって、取り返しのつかない“喪失”があることだけは確かだ。しかしそれを後悔し悔い改めようにも、あるいは恨みをぶつけようにも、ぶつける対象すら、これも失われてしまっているという、この喪失感の正体はいったい何なのか。

不在の神とはいったい何者なのか。

今回の 「トロイアの女」 は決してエウリピデスの 「トロイアの女」 ではない。ヘカベがその死を嘆くのはアステュアナクスではなく、私たち自身にとっての、誰か(何か)だ。

というような話をした稽古一日目だった。

稽古後、COLLOLの田口アヤコと三軒茶屋で飲む。その場で今回の出演者の一人に決まる。急な誘いだったのに快く引き受けてくれた。本当に有り難い。これで出演者が全員確定した。使うテキストも、今日の読みでほぼ決まった。

アジア舞台芸術祭ショーケース参加作品「トロイアの女」、川渕優子と櫻井晋、岩井晶子そして田口アヤコ(COLLOL)という4名の俳優と制作します。付き合いは長いのに田口と一緒にやるのは、実は「再演 R.U.R.」以来、3年半ぶり二度目なので、田口との共同作業もとても楽しみ。

さあ、頑張るぞ。

  • 2009.11.14 (土) 02:59
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