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「待つ春に」 無事、終演しました。

ご来場いただいた皆さまには、誠に有難うございました。楽しんでいただけましたでしょうか。私たちはようやく年が越せた感じです。準備期間は昨年の今時分から。打ち合わせに打ち合わせを重ねて、数回のお稽古を経ての本番。

個人的には稽古がいちばん楽しかったな。作られていくプロセスで僕の脳のクリエイティブな部分がビシビシ刺激を受けました。

もちろん本番も素晴らしい出来でした。能楽堂、「型」を身体に棲まわせる力があるというか、“そこ”に訓練された身体が立つだけで場が、空間が引き締まります。対談で舞台に立った僕の身体なんかはグダクダでしたが(笑)寛先生、太三郎先生、川渕が橋懸りからしずしずとすり足で歩いてくる様にはぞっとするど美しいものがありました。ご本人的には(きっと)何気なく歩かれているだけなんですけどね。身に染み込んだ型と時間があるんでしょう。

音楽教育の山田隆先生との対談も楽しかった。隆先生お話が本当にお上手で、終始客席から笑いが絶えなくて。でも楽しいだけじゃない、とてもいいお話を聞かせて頂きました。笛や太鼓はメロディやリズムを奏でるのではなく「日本語を語っている」んだ。だからどんな言葉とも唄ともあうんだ。という話とか、目からうろこでした。

そして言わずもがなですが、何より笛と鼓が素晴らしかった。やっぱり本物を聴かなきゃダメですね。「傷をなめる獅子」の笛鼓には本当に身震いしました。川渕も頑張ってましたよ。今回ほとんど彼女に演出をつけていないので、一俳優として自力で朗読を組み立てていたみたいなんですが、良かったです。ホントいい経験をさせて貰いました。良かった。

あと、忘れちゃいけない、一部として午前中に発表会があって午後から二部というバタバタなタイムテーブルで、事故なく無事に仕事を全うして下さった舞台監督のちょこさんには大感謝です。(舞監、僕がやらなくて本当に良かった。)それと慣れない舞監助手を務めてくれた一間、山形君、櫻井も有難う。春日、陰アナを有難う。アナウンス上手だったよ。致命的なミスも1コだけあったけど。まあ、愛嬌です。愛嬌。

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写真は本番終わっての楽屋でのOFFショット。春日が撮ってくれました。左端が望月太三郎先生で、右端が福原寛先生です。

東京戻ったら二部の座組みで、ぜひ打ち上げしましょう。また来年もこの企画をという話もチラホラ出ていますので、機会がありましたら是非。まだまだ若輩者ですが、今後とよろしくお願いします!!

追記

来年は演出的な立場から、企画のコンセプト作りからもっと突っ込んんで関わりたいなあ。と。今回、最終的にだれが責任者なのか曖昧なまま、みんなで作っていったことが、良かったところもあるけどちょっと反省点。もちょっと一本筋の通った企画にできると思う。おこがましい言い方かもしれないけど、寛先生にも、お互いに発見の在るような企画。何よりお客様がもっと楽しんで下さり、かつ思考と感覚を刺激出来るような企画。今回の企画も裏設定みたいなのが当初あったのですが、時間の経過ととともに薄れてしまいました。そこは、反省点だな。

経験と反省を活かして次へ! 向かいたいと思います。皆さま今後ともご支援ご声援のほどよろしくお願いいたします。

  • 2012.01.31 (火) 04:24
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| 滝沢 url (02.01 23:41) 編集・削除

お疲れ様でした。久しぶりのshelf観劇で、懐かしい思いと、新鮮な思いがないまぜの、不思議な感覚で舞台を拝見しておりました。
完成された様式美が、間や静寂が、あれだけ客席空間を支配していることが、目に見えて伝わって来て、こちらまで気が引き締まって来ました。そして、終わってからは何だかリフレッシュした感じになって家路に着きました。段々shelfに病みつきなりそうです。
これからも頑張って下さい。また次回の公演も伺えたらいいなと思っております。

| 矢野靖人 url (02.02 05:07) 編集・削除

> 滝沢様

コメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで何よりです。今年は、次に中部圏でやる公演は、12月に長久手市文化の家と、三重県文化会館での三島由紀夫の連続公演になります。

近代能楽集を初めとした短めの作品を、第七劇場という他団体と、二本立て×二演目でお届けする予定です。

またお時間ありましたら是非、ご来場ください。ご来場の際は、バタバタしてるとは思いますが是非、お声をおかけ下さい。

それではまた。今後ともよろしくお願いたします!

いよいよ今週末本番です。

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<文化庁平成23年度>地域の文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業

「待つ春に」

@名古屋能楽堂(主催/「伝統の音と舞」実行委員会・shelf)

いよいよ今週末本番です。日本一大きな=世界一大きな能楽堂で、邦楽とshelf の現代演劇の語りが出会います。

演目は、北原白秋の 「落葉松」、笛と鼓の演奏を挟んで、それから、shelf矢野靖人と山田隆先生の対談があって、夏目漱石 『夢十夜』 より 「第一夜」、高村光太郎 「傷をなめる獅子」と続きます。「落葉松」は笛と朗読のみ、「第一夜」と「傷をなめる獅子」は笛と朗読に鼓と太鼓が入ります。

shelfの本公演ではありませんが、能楽堂企画、実に楽しみです。楽しみというか、純粋に稽古が楽しいです。今まさに。

矢野も、直接、演出に関わっている訳ではないけど、毎日稽古場につき添ってちょっとだけ口を出させて貰っています。古典芸能の方々の考えていることってぜんっぜん違う部分と、ああ、やっぱり同じだなあという部分とがあって。とても面白いです。

昨日初めてお会いした太三郎先生がとっても魅力的な方でした。鼓の先生なのに壁一面に並んだCDは、ほとんどロックバンドのCDばかりでスタジオにドラムセットがあった。いつもドラムばかり叩いているらしい。

寛先生も、穏やかな人格者なんだけど、やっぱり古典芸能の人でどこか掴めない(いい意味で)ところのある人。太三郎先生と二人で打ち合わせしてるところを聴いてると専門用語ばかりでちんぷんかんぷんだったんだけど、最後、トンがポンになって渡した方がいいよね。そっちのほうが邦楽っぽいよね。とか。邦楽っぽいって…邦楽の先生方じゃないですか! と突っ込みを入れそうになりました。ホント、とぼけてらっしゃる。

矢野、川渕ともに非常に贅沢な経験をさせて貰っていると思います。日本語の舞台表現のルーツを探るような、そんな感覚です。まだまだ本番までに変わっていくと思うけど、小説よりも詩の方が、邦楽にはあってるのかな。散文詩とはいえ韻律があって、言葉が音楽のように聞こえてくる。だから、笛や鼓ととても合う。ここに意味がダイレクトに流れ込んでくると、きっともっと面白くなるんじゃないかと思うんだけど、さて。

合わせ稽古は明日の午後からもう一回、で今週末はいよいよ本番です。きっと素敵な時間をお届けできると思います。どうか皆さんお楽しみに!

  • 2012.01.26 (木) 14:12
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  • Yasuhito YANO

邦 楽 と 朗 読 の 出 会 い。

来春1月に行われるshelf次回公演のご案内です。

表題のとおり、「邦楽と朗読の出会い。」と銘打たれた企画で、コンセプトも、「語り物と共に発展してきた日本の伝統芸能。現代の語り物・朗読と組んだら何が表現できるのか。」というものですが、ぶっちゃけshelf川渕のパフォーマンスがいわゆる朗読になるかどうかまだ分かりません。

というか、そもそも朗読ってどのような表現を指すのだろう?

「朗読」と聞くと、なんとなくアナウンサーのやる美しい日本語の音声表現、みたいなものを思い浮かべるのだけれど、じっさい記憶に残っているのは、あくまで個人的な経験ですが、糞みたいにツマラナカッタ中学校の国語の授業で読まされた棒読みの音読ばかり。

正直あまりいいイメージのない朗読ですが、これを機に、では、shelfが現代演劇のフィールドで取り組んできている「語り」との違いは何か。あるいはドラマ・リーディングとの違いはどこにあるのだろう。そういったことを今一度じっくりと考え直すことが出来ればいいな、と思っています。

こういった貴重な場を提供してくれた、並び主催の「伝統の音と舞」実行委員会の委員の一人で、且つ共催者でもありそもそもこの企画をshelfに持ちかけてくださったプロデューサー、NPO法人伝統芸能・音楽教育サポート・ネットワークのKさんに心より感謝。

今のところ一つだけ考えているのは、“所謂”美しい日本語表現なんてものは存在しないんじゃないか、ということ。(例えあったとしてもそれは僕ら演劇人の仕事ではない。)

朗読を単なる書き言葉の音声化として考えるのではなく、人間の肉声ということに着目する。そして、あくまで朗読も人間の声の表現である以上、即ち、そも、言葉も身体の一部である、という考えから、その、声には身体からの発語衝動が乗せられていなければならないのではないか。と、いうようなことを考えています。

あともうひとつ、それよりなにより、歌舞伎音楽の笛方の第一人者、福原寛先生との共同作業も、とても楽しみです。寛先生、まだ数度しかお会いしたことはないのですが、とても穏やかな人格者でいらして、先生の笛にもその人となりが滲み出ているような印象でした。

今回は、shlfの主催企画で在りながら、矢野の関わり方が演出という立場ではないので、どこまで矢野がこの作業に関与出来るのか、今のところ未知数ですが、きっと単なるコラボレーション企画ではなく、ジャンルそのものを問い直すような、そんな刺激的な企画になるんじゃないかと想像しています。

皆さん、どうぞご期待ください。


文化庁平成23年度 地域の文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業

「待つ春に」

2012,1.29 Sun@名古屋能楽堂
主催/「伝統の音と舞」実行委員会・shelf


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邦 楽 と 朗 読 の 出 会 い。

語り物と共に発展してきた日本の伝統芸能。現代の語り物・朗読と組んだら何が表現できるのか。
歌舞伎音楽の笛方、福原寛氏が、
名古屋・東京を中心に活動している劇団shelfと共演し、
伝統芸能の新しい可能性を探ります。
また、伝統音楽と西洋音楽の違いについて
造詣の深い山田隆氏が、演出家矢野靖人氏と対談、
伝統文化について語ります。

[出演]
 笛 / 福原寛
 囃子 / 望月太三郎
 朗読 / 川渕優子
 対談 / 山田隆・ 矢野靖人

[プログラム(予定)]
・『落葉松』 (作 / 北原白秋)
・笛と囃子
・対 談
・『夢十夜』 から 「第一夜」 (作 / 夏目漱石)
・『傷をなめる獅子』 (作 / 高村光太郎)

[日時] 2012年1月29日(日)14:30~16:00
** 開場は開演の30分前、受付開始は開演の60分前です。

[場所] 名古屋能楽堂

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名古屋市中区三の丸一丁目1番1号
Tel. 052-231-0088 Fax. 052-231-8756

【交通アクセス】
・地下鉄鶴舞線「浅間町」1番出口より、徒歩10分
・地下鉄名城線「市役所」1番出口より、徒歩12分
・市バス栄13系統「名古屋城正門前」下車すぐ

[料金] 一般前売 2,500円 一般当日 3,000円
     大学生 2,000円 高校生以下 1,500円(前売・当日とも。要学生証)

[前売り開始] 2011年12月1日(木)

[チケット取扱]
 ナディアパークプレイガイド tel. 052-265-2015
 松坂屋プレイガイド tel. 052-251-1841
 名古屋芸術文化センター・チケットcom tel. 052-972-0430
 三越プレイガイド tel. 052-953-0777
 「伝統の音と舞」実行委員会 tel. 090-3832-1298 e-mail. keyaki8756@yahoo.co.jp
 shelf tel. 090-6139-9578 e-mail. info@theatre-shelf.org

[共催]NPO法人伝統芸能・音楽教育サポート・ネットワーク / 長唄・囃子藍ノ会
[後援]名古屋市 / 名古屋市教育委員会 / 名古屋邦楽協会 / 朝日新聞社 / 名古屋イーストライオンズクラブ


●福原 寛(ふくはら かん)

福原流笛方。人間国宝福原流宗家四世寶山左衛門師に手ほどきより師事。重要無形文化財江戸里神楽を、四世家元若山胤雄師に師事。1990年。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。1992年、同大学院修士課程修了。現在、各地にての笛リサイタル、歌舞伎、日本舞踊、長唄演奏会などの演奏活動の他、テレビやラジオ放送、海外演奏などにも参加 又、様々な民族楽器とのコラボレーション、語りや朗読とのジョイントなど多彩な表現活動を行う。 1999年、第二回ジョイントリサイタル 「笛と唄と」 にて名古屋市民芸術祭審査員特別賞受賞。2004年、アテネオリンピック・シンクロナイズドスイミング日本チームテーマ曲の演奏。2005~6年、十八代中村勘三郎丈、襲名披露興行に出演。国立音楽大学講師、国立劇場養成課講師(2006~2008)、横笛「苑の会」主宰。東京、名古屋、沼津、徳島、高松などで稽古場を開く。
◎制作CD:「篠笛の曲」、「笛~四季を綴る~」
◎著書:篠笛の本、篠笛曲集Ⅰ、篠笛曲集Ⅱ

●山田 隆(やまだ たかし)

1935年、愛知県犬山市生まれ。長唄名:吉住小隆治 笛師名:藍山 有限会社 「日音」 代表取締役。平成2年度まで公立小学校教員。その後、三重大学・国立音楽大学・岐阜聖徳学園大学等の非常勤講師を務める。
1982年、長唄・囃子 「藍の会」 を創立。
1986年、第18回中日教育賞受賞 (日本音楽による教育)

  • 2011.11.29 (火) 06:03
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  • Yasuhito YANO

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