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近代戯曲研修セミナー 「森本薫を読む!」 ドラマ・リーディング出演者紹介 ③

日本の近代戯曲研修セミナー 「森本薫を読む!」 いよいよ開催が、明日・明後日と迫って参りました。

最後にご紹介するのは、ドラマ・リーディング 1日目の 『記念』 を shelfの川渕優子と共演して下さる青井陽治さんです。(※改めてご注意申し上げますが、『記念』 は、二日間でキャスト二人を入れ替えてのダブルキャストで上演致します。)

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青井陽治

1969年に研究生として劇団四季に入り、『ウエストサイド物語』 などの初演に出演。同時に翻訳・訳詞・劇作も行う。1976年よりフリーとなり、海外戯曲の上演、ミュージカルの創作に独自の世界を築く。近年は、次代を担う演劇人育成のために、演劇教育にも積極的に携わり、現在、東京芸術大学音楽学部ではミュージカル概論の講義を担当している。主な作品に、『真夜中のパーティ』、ニール・サイモンのBB三部作 『ブライトン・ビーチ回顧録』 『ビロクシー・ブルース』 『ブロードウェイ・バウンド』、『ラヴ・レターズ』、『GODSPELL』、『海の上のピアニスト』、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、『ハロルドとモード』 などがあり、新派では 『あじさゐ』 などを新しい感覚で演出した。2007年には25年ぶりに舞台復帰し、蜷川幸雄演出 『恋の骨折り損』 でボイエット役を演じた。

今回の企画を主催する日本演出者協会という組織は非常にまあ変わった集団で、というかそもそも日本には、や日本だけじゃないかも知れませんが、所謂“スタンダードな”演劇教育が殆どないんですね。

畢竟、演出や俳優を志す人は(2005年に初めて新国立劇場の付属演劇研修所が出来ましたがそれ以前は、)基本的には、私学の専門学校等に通うか、大手新劇団の研究生になるか、あるいはアマチュアリズムで独学で、例えば学生の頃から自分たちで集団を作って創作を行いながら実地で研鑽を積んでいくか。くらいしか演劇人になるための方法が、なかった。という経緯もあってか、演出者協会には本当に様々な演出家が個人で所属しているワケです。例えば前回紹介したような、学生時代からのアングラ演劇を出自とする人もいれば、海外で演劇をきちんと学んで来た人もいる。

そんななかで青井陽治さんという方は本当に稀有な存在で、というのも当時、フランスの前衛劇を翻訳・上演していた(みなさんがご存知のあの)劇団四季がウェルメイドのブロードウェイミュージカルを中心に上演する集団へ移行した時期に俳優・ダンサーとして四季に在籍し、『ウェストサイドストーリー』 日本初演のメンバー(!)であり、そして今もショウビズの世界の最前線で、演出家・翻訳家そして俳優としても活躍し続けていらっしゃるという。

初めてお会いしたのがいつだったか、それはちょっと覚えていないのですが、矢野が確実に影響を受けている演劇人のうちのお一人です。とにかく、柔らかい。頭もそうですが人当たりも何もかも。そして普段はとても謙虚で言葉少なな方なのに、ポツリと何かしらの言葉を発せられると、それが真っ直ぐにコトの核心を突いて来る。言葉が、刺さる。

それが何であれ、技術は磨けば身につけられる。しかしなんというか、“心”というものは、そうはいかない。優しさ、美しさ。芯の強さ、そしてしなやかさ。かなわない。本当に。なのにぜんぜん、悔しくない。そう思わせられるお方です。僕は青井さんが、大好きなのです。

  • 2014.03.09 (日) 10:51
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  • Yasuhito YANO

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