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近代戯曲研修セミナー 「森本薫を読む!」 ドラマ・リーディング出演者紹介 ①

日本の近代戯曲研修セミナー「森本薫を読む!」全8回の研修も昨日をもって無事すべての回が終わりました。いよいよ来週、3/10(月)と11(火)に、成果発表のためのドラマ・リーディング&シンポジウムを開催いたします。おかげさまで諸先輩方に揉まれに揉まれて8日間、実に充実した研修を行うことが出来ました。

完成型としては、おそらく普段のshelf作品の“質感”のようなものを残しつつも、日本の近・現代演劇運動の最前線を担ってこられた大先輩の皆さんとの共同作業ということで、いつもとは少し違った、深みと趣ある作品に仕上がって来ているのではないかと思っています。

これが観客を前にしてどう変わるか。個人的にも本番が楽しみでなりません。

というわけで、今日から数回に分けて、ドラマ・リーディング矢野組出演者の皆さんをご紹介したいと思います。先ずは、二日間、shelfの川渕優子、春日茉衣と 『薔薇』 にて共演して下さる大谷賢治郎さんと、小林拓生さんについて。

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大谷賢治郎

1972年東京出身。サンフランシスコ州立大学芸術学部演劇学科卒。帰国後大野一雄氏に舞踏を学び、フリーランスでアターXを中心に、東京、イスラエル、オーストラリア、ドイツ等で俳優活動を、またイスラエルの演出家、ルティ・カネル、モニ・ヨセフ、渡邉和子、そしてふじたあさやの演出助手を行なう。最近では劇団銅鑼公演 「あやなす」 の演出、「不思議の記憶」 の作・美術・演出を手掛ける。またワークショップ・ファシリテーターとして国内外にて児童演劇教育にも力を注ぐ。アシテジ(国際児童青少年演劇協会)日本センター理事。

http://otanikenjiro.blogspot.jp

大谷さんとは今回の企画を通して、初めてお会いしました。何といってもカッコいい。男が見ても惚れ惚れするぐらい色気のある俳優さんです。(演出者協会の会員ですので、もちろん演出家でもいらっしゃいます。)研修初回の読み合わせで矢野、一目惚れしました。この人に、是非とも 『薔薇』 の主役である菅(すが)役をやって貰いたい。そうお願いしてご出演頂くことになりました。本番直前にも関わらずスケジュールにはずいぶんご無理を申し上げました。改めまして有難うございます。

大谷さん、海外での活動経験が豊富でいらっしゃるからか、本当にとてもしなやかな思考と瑞々しい感受性の持ち主です。そして何より(演技において) 「嘘はつきたくない。」 という大谷さんのポリシー。その言葉に共感して矢野、一気に信頼しました。嘘をつきたくない、といっても、そこはもちろん役者の生理に合わないからこの台詞はシャベレナイ、なんてどこかの勘違い俳優とは違って、どんな台詞もきちんと自分の身体に落として、と同時にテキストと適切な 「距離をとる。」 という、shelfと矢野の方法論をするりと受け止めて、楽しんで実践して下さっています。写真でもお分かりになるかもしれませんが、本物は本当に艶っぽい方です。見るだけで一見の価値有。声もまたいいんだなあ。

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小林拓生

1966年東京出身。プロデューサー・演出家・俳優。日本演出者協会 国際部メンバー。JTBエンタテインメントアカデミー演技指導講師。1997年シェイクスピアカントリーパークのオープニングプロデュース。日本の近・現代劇、チェーホフ等、多くの作品を演出。文化庁関連事業/日韓演劇フェスティバル、日本近代戯曲研修セミナー実行委員。俳優としてもNHK木曜時代劇 『風の果て』 『白洲次郎』 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』 等に出演。CM、ナレーション多数。現在、大森啓祠朗氏、橘憲一郎氏と共に、川崎市麻生区の 「あさおアートスクール」 設立、市民レベルの演劇芸術が広がることを理念に活動中。お父上は文学座の名優である小林勝也氏、お母上はぷろだくしょんバオバブ所属の声優である好村俊子氏。自身が代表を務める、J-Theaterの定期公演も好評。

小林さんと初めてあったのは、かれこれ10年近くも前になるのでしょうか。実は矢野、ちょっと失念していたのですが、昔、有志でク・ナウカの阿部一徳さんにスズキ・メソッドを習う会をやっていたときにお会いしたのが初めてでした。

この方も本当に色気、というか華がある方で、といって大谷さんのそれとはぜんぜん違って。何というか、つかみどころがぜんぜん無いんです。飄々としていて何を考えていらっしゃるのか分からないかと思えば、芝居をしていると突然思わぬところから声が出て来たりする。お父上が文学座の古参でいらっしゃる小林勝也さん。ドラマや舞台でご覧になったことがある方も多いかも知れませんが、小津安二郎映画でも世界的に知られている昭和の三大女優、杉村春子さんとも長く共演していらっしゃった方で、一度研修に見学に来られた時には貴重なお話をたくさん聞かせて頂きました。

小林さんには、今回は 『薔薇』 の主人公・菅の親友であり、しかし紆余曲折の末(?)図らずも菅の運命を翻弄する重要な役回りである神村役をお願いしています。『薔薇』 については、喜劇作品が多い森本薫には珍しい、悲劇的要素を孕んだシナリオなのですが、大谷さんのユーモアと機知に溢れる存在で、作品に、実に大きな豊かさをもたらしてくれました。

日本の近代戯曲研修セミナー 「森本薫を読む!」 は、一本目の上演になるラジオドラマシナリオを元にしたドラマ・リーディング作品 『薔薇』。強力で素敵なこのお二方と、shelfの川渕、春日とでお送りします。日本のラジオドラマ草創期に書かれた、実験的な精神と仕掛けがたくさん仕込まれたちょっと難しい作品ですが、shelfの作品として出してもぜんぜん違和感の無いような、いい感じの作品になりそうです。

  • 2014.03.07 (金) 07:45
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  • Yasuhito YANO

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