「顔」


「顔」 2007.8.9 Thu.→ 8.12 Sun. 相鉄本多劇場 Sotetsu Honda Theater
〜 横濱・リーディング・コレクション#3 岸田國士を読む!参加作品 〜
主催 / 横濱・リーディング・コレクション 実行委員会
共催 / 横浜SAAC ・ 横浜市市民活力推進局

photo:Mari Harada


滞在客は四人。夫婦のようにも見え、夫婦でないようにも見える一組の男女。
子爵家の御曹司だという青年・京野精一と、有閑夫人の土屋園子。
そしてそこにはもう一人、四人の世話をする菅沼るいという老女がいて――
海浜の寂れたホテルで働く、老女の旧い記憶を長大なモノローグで綴る 『顔』

退屈を持て余す夫人を慰めようと始めたるいの身の上話は、幼い頃にはじまり、
やがて外国航路の客船でメイドとして働いていた頃の話に及ぶ。
たった一晩、暗闇の中で船員とおぼしき男を相手に犯した生涯たった一度の過ちとは ――

[作]
[構成・演出] 
岸田國士
矢野靖人
[出演]

川渕優子(shelf
甲斐博和(toca*
高田愛子(ユニークポイント
西山竜一(無機王)
圓谷久美子
百花亜希

[選曲]                      角井方浩(shelf)
[照明コーディネイト]    伊藤孝 (ARTCORE design)
[写真]                      原田真理
[宣伝美術]                オクマタモツ
[記録撮影]                升田規裕(M's Video Group)
[写真]                      藤倉善郎
[舞台監督]                小野八着(Jet Stream) 濱谷康幸
[制作]                      薄田菜々子(beyond) 藤田晶久(palette bullet)
[プロデューサー・総合ディレクター]    矢野靖人(shelf
[協力]                      アトラプトカンパニー 駒込駅前スタジオ 王子小劇場

[日時]
9(木)
10(金)
11(土)
12(日)
14:00 A
14:00 B
19:30 A ★
19:30 B ★
18:00 B
18:00 A
※A=Aプログラム/「動員挿話」+「顔」
    B=Bプログラム/「クニヲと俺と(入門編)」+「紙風船」」
※開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前
※開演の60分前より受付にて整理番号を発行、開場時点から整理番号順でのご入場となります。
※会場の都合上、開演後のご入場をお断りする場合がございます。ご了承下さい。
※★の回は終演後、今回の演出家とゲストによるポスト・パフォーマンス・トークがございます。
** ポスト・パフォーマンス・トークゲスト!
9(木) 作家・演出家、片山雄一氏 NEVER LOSE
10(金) 演出家、わたなべなおこ氏
あなざーわーくす) 
[場所] 相鉄本多劇場
横浜市西区南幸2-1-22 相鉄ムービル3F
tel. 045-319-2150
JR・相鉄線 横浜駅みなみ西口から徒歩5分
東急東横線・みなとみらい線横浜駅から徒歩7分

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日本で最初に近代的なせりふ劇を書いた劇作家、岸田國士。一見事件らしい事件の起こらない日常生活のスケッチのなかに「人間の魂の最も韻律的な響き(或は動き)」を追求した彼の一連の作品は、大正期の素朴な舞台言語の概念を完全に覆し、日本語で書かれた戯曲の歴史に新しい地平を切り拓いた――

新旧を問わず、毎回質の高いテキスト(戯曲、他各種テキスト)をセレクションし、気鋭の演出家と競作、リーディング形式で連続上演して来た、横濱・リーディング・コレクション、4回目を迎える今回は、日本の近現代劇を代表する劇作家・岸田國士の初期戯曲を取り上げます。

気鋭の劇作家として注目を集めた初期の一幕劇にして代表作『紙風船』を初め、岸田戯曲には珍しく戦争を背景に夫婦の葛藤を丁寧に描いた『動員挿話』、夫が失業中の家庭の悲喜を描いた『かんしゃく玉』、横浜の寂れたホテルで働く、老女の旧い記憶を長大なモノローグで綴る『顔』の四篇を、四人の演出家が連続上演。

同一作家のテキストを取り上げることにより、舞台言語の深度を示すのみならず、演出家や俳優が違えば舞台表現はここまで異なるのだという、表現(パフォーマンス)の幅を示し、ドラマリーディングという形式を仮借しながら、単なる戯曲の紹介とは異なる舞台表現の新しい可能性を探ります。

どうぞ、ご期待下さい!



notes

一枚の紙の裏と表とを分離することが不可能なように。方法(形式)と内容とは、本来不可分なものだと思っています。その意味で、岸田國士ほど形式と内容が分けられない作家は、実はなかなかにいない。

近・現代日本の戯曲のフォーマットを作った劇作家は、同時に人間の存在の核心そのものまで迫った類稀な劇作家の一人だと認識しています。

方法よりも様式よりも。

岸田國士の「言葉」を、あなたの心の最も深い場所に届けたいと思います。ご期待下さい。

矢野靖人



ご挨拶 (当日パンフレットより)

老女の語る、一夜限りのロマンスの記憶。

脳裏に焼きついて忘れられない風景。今も身体の芯に残っている圧力。
指先で感じた手触りや、そのときまわりに漂っていた空気の匂い。

言葉に出来ない、感覚の末端に潜む記憶の澱のようなものを、
俳優の身体とこの空間とに丁寧に棲まわせることが出来ればと思っています。

言葉に移し変えられることによって「物語」へと変化する記憶。

40分程度の短い作品ですが、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。

矢野靖人



■ 
岸田國士 / Kunio Kishida

1890年東京都四谷生まれ。劇作家、演出家、批評家、小説家。1919年フランスに渡り、ジャック・コポーのヴィユー・コロンビニ座を中心に演劇を学ぶ。戯曲の文学性を説く一方、戯曲が他の文学ジャンルとは異なることを強調し、後進の劇作家に大きな影響をあたえた。1928年「悲劇喜劇」創刊。1937年文学座創立。翻訳家、小説家としても知られ、翻訳ではルナールの『にんじん』、小説では『由利旗江』、『落葉日記』、『暖流』等。1954年、『どん底』演出中に脳動脈硬化症で倒れ、急逝。
1954年に創設された岸田國士演劇賞(後に岸田國士戯曲賞と改められる)は、新人劇作家の登竜門とされることから「演劇界の芥川賞」とも称されている。


横濱・リーディング・コレクション#3「岸田國士を読む!」
2007.8.9~12@相鉄本多劇場
撮影/藤倉善郎

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tel. 090-6139-9578
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