第20回BeSeTo演劇祭 BeSeTo+参加作品
shelf volume16
『nora(s)』
2013年10月25日(金)〜31日(木)@アトリエ春風舎
原作 / ヘンリック・イプセン
構成・演出 / 矢野靖人

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演出ノート

妻でなく、娘でなく母親でもなく女でもない一人の人間として扱われることを求め、しかしそれが裏切られることによって、すべてを捨て家を出たノラ。今改めてこの戯曲を読み返すと、ここには近代以降の人間の自我の問題、「私」とは何者か? という答えようのない問いが含まれている。本公演は、日韓の演劇人を中心に国際共同制作を実施。近代的「自我」の問題に取り組むとともに、東アジアからみたヨーロッパ文化の受容史を検証したい。

演出 矢野靖人

[出演]

川渕優子 Yuko KAWABUCHI
春日茉衣 Mai KASUGA
ミウラケン Ken MIURA

日ヶ久保香 Kaoru HIGAKUBO
Cho Yu Mi (soo)
※出演を予定していた上原用子は事情により降板いたしました。

[衣装]
[照明]
[制作助手]
[提携]
[協力]
[後援]
[共催]
[企画・製作・主催]

竹内陽子
則武鶴代
アマンダ・ワデル
(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
アトリエ春風舎
ノルウェー王国大使館
第20回BeSeTo演劇祭実行委員会
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[会場・アクセス]

アトリエ春風舎
〒173-0036 東京都板橋区向原2-22-17
TEL 03-3957-5099(公演期間のみ)
※公演期間以外のお問い合わせはこまばアゴラ劇場 (03-3467-2743) まで
※東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 4番出口より徒歩3分
※会場には駐車場・駐輪場がございません。お越しの際には公共交通機関をご利用ください。

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■演出ノート / ご挨拶にかえて(当日パンフレットより)

shelf 初の国際共同制作、10月1日にはるばる単身来日してくれた韓国の女優ユマを成田まで迎えに行ってから、今日までの約三週間。事前にそれなりにいろいろとシミュレーションをしてはいたものの、実際に稽古場に彼女を迎えて創作を始めてみると、いやはや。その想像を遥かに上まわる大きな刺激と、発見とに満ちた日々でした。

shelfは、ここ数回の作品制作で、所謂一般的な「ドラマ」としての起承転結や序破急のある(そしてそれが台詞や対話で紡がれる)タイプの構成方法ではなく、shelfにユニークで新しい物語形式を模索しています。時間と空間と、それから俳優の身体に澱のように堆積した俳優の生活史。俳優個々の記憶、感情、衝動、皮膚感覚を初めとした様々な感覚そして俳優と俳優、俳優と空間、俳優と観客の皆様との関係と、それに等価なものとして置かれた、戯曲を始めとした様々なテキストを切断して抜き出したテキストの断片からそれらを再構成し、物語を「語る」方法を模索しています。新しい、などということは軽々に言えるものではなく、完成形は遥か彼方にあって、なかなか手が届かないのですが、脳裏には確かなビジョンをしっかりとおさめ、じりじりと粘り強く、生みの苦しみに耐え続ける日々を過ごしています。本作品に関して言えば、今、私が抱いているのは、声と身体の残骸がどこか暗い洞穴のなかに打ち捨てられていて、残響が谺し続けているような時空間のイメージです。

そう、本作品の題材の「人形の家」はイプセンの戯曲の中で最も有名な戯曲の一つだと思いますが、彼の他の、「民衆の敵」という戯曲の中にこんな台詞があります。

「一番強い人間とは実生活の舞台の上にたった一人で立っている人間なのだ。」

この台詞が、私にとって今回のタイトルにある女性「ノーラ」という存在について考える際に、非常に重要な補助線となりました。おそらくそれは強く、孤独で、しかしどこか精神がコワれている存在なのではないか。しかしそれは同時に、ヒビの入った、古い磁器のような美しさを湛えているのではないか。と、思われました。

「私」とは何者か。ということを創作のコンセプトに据えて、「誰のものでもない私」を描ければと思っています。上演時間は60分程度を予定しています。短い時間ではありますが、さいごまでごゆっくりお楽しみください。

2013.10.25 演出 矢野靖人

BeSeTo+  http://www.beseto.jp/20th/























撮影 / 原田真理

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