shelf volume12
『構成・イプセン― Composition / Ibsen』

東京・京都・名古屋・静岡四都市ツアー

flyer
 
 2011.10.21 Fri.→10.29 Sat. @atelier SENTIO (東京)
 2011.11.1 Tue.→11.3 Thu. @アトリエ劇研(京都)
 2011.11.5 Sat.→11.7 Mon. @七ツ寺共同スタジオ(名古屋)
 2011.11.11 Fri.→11.13 Sun. @アトリエみるめ(静岡)

原作 / ヘンリック・イプセン 『幽霊』 より
翻訳 / 毛利三彌 ほか
構成・演出 / 矢野靖人

出演 / 川渕優子
三橋麻子(Ort-d.d)
櫻井晋
春日茉衣
鈴木正孝(一徳会/K・A・G)
沖渡崇史(一徳会/K・A・G)

音響・ドラマトゥルク / 荒木まや
照明 / 則武鶴代
衣裳 / 竹内陽子
写真 / 原田真理
宣伝美術 / オクマタモツ

提携 / atelier SENTIO、アトリエ劇研、七ツ寺共同スタジオ、アトリエみるめ
後援 / ノルウェー王国大使館
制作協力(名古屋) / 加藤智宏(office perky pat)
広報協力(東京) / 三村里奈(MRco.)
協力 / にしすがも創造舎、stage office
製作 / shelf・ 矢野靖人

【東京公演】
日時 /2011年10月21日(金)〜10月29日(土) ※全10ステージ
10/21(金)20:00 ★
10/22(土)14:00 ★
/19:00 ★
10/23(日)14:00
10/24(月)20:00
10/25(火)休演日
10/26(水)20:00
10/27(木)20:00
10/28(金)14:00 / 20:00
10/29(土)14:00
・開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前です。
・★の回は、プレビュー公演:料金一律1,500円
料金 / 一般前売 2,500円 当日 2,800円 (日時指定・全席自由席)
学生前売・当日共 2,000円
場所/ atelier SENTIO
東京都豊島区池袋本町4-29-10-1F
東武東上線 「北池袋」 徒歩3分、JR埼京線 「板橋」 徒歩6分
Tel. / Fax. 03-5951-8854 info@atelier-sentio.org

【京都公演】平成23年度(第66回)文化庁芸術祭参加公演
日時 /2011年11月1日(火)〜11月3日(木・祝) ※全3ステージ
11/1(火)19:00 ☆
11/2(水)19:00 ☆
11/3(木・祝)14:00
・開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前です。
・☆の回は、終演後、演出家とゲストによるポスト・パフォーマンス・トークを開催します。
11/1(火)ゲスト 田辺剛氏 (劇作家・演出家、劇場「アトリエ劇研」ディレクター)
11/2(水)ゲスト 筒井潤氏 (劇作家・演出家・俳優、dracom leader)

** プロフィール詳細はこちら

料金 / 一般前売 2,500円 当日 3,000円 (日時指定・全席自由席)
    学生前売・当日共 2,000円

場所 /アトリエ劇研 Atelier GEKKEN
京都市左京区下鴨塚本町1 tel/075-791-1966
<地下鉄>
京都市営地下鉄松ヶ崎駅より徒歩約15分
<バス>
・京都市バス「下鴨東本町」よりすぐ
・京都市バス「洛北高校前」より徒歩約10分

【名古屋公演】<名古屋市民芸術祭2011参加>
日時 /2011年11月5日(土)〜11月7日(月) ※全4ステージ
11/5(土)19:00 ☆
11/6(日)14:00 / 19:00 ☆
11/7(月)19:00
・開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前です。
・☆の回は、終演後、演出家とゲストによるポスト・パフォーマンス・トークを開催します。
11/5(土)ゲスト 平松隆之氏 (劇団うりんこ/うりんこ劇場)
11/6(日)ゲスト 山上健氏 (建築設計者)

** プロフィール詳細はこちら

料金 / 一般前売 3,000円 当日 3,500円 (日時指定・全席自由席)
    学生前売・当日共 2,000円

場所 / 七ツ寺共同スタジオ Nanatsudera Kyodo Studio
名古屋市中区大須2丁目27-20 tel/052-221-1318
地下鉄鶴舞線「大須観音駅」下車 2番出口徒歩5分
地下鉄名城線「上前津駅」下車 8番出口徒歩10分

【静岡公演】
日時 /2011年11月11日(金)〜11月13日(日) ※全4ステージ
11/11(金)19:00 ☆
11/12(土)14:00 / 19:00 ☆
11/13(日)14:00
・開場は開演の20分前 受付開始は開演の60分前です。
・☆の回は、終演後、演出家とゲストによるポスト・パフォーマンス・トークを開催します。
11/11(金)ゲスト 都築はじめ氏(劇作家・演出家、劇団らせん劇場代表)
11/12(土)ゲスト 西川泰功氏(ライター)

** プロフィール詳細はこちら

料金 / 一般前売 2,500円 当日 3,000円 (日時指定・全席自由席)
    学生前売・当日共 2,000円

場所 / アトリエみるめ
静岡市駿河区寿町12-21 tel/054-289-1161
mail@mirume.org

■演出ノート01
人間の“自我”や“内面”というものが発明された時代の、言いかえればまだ“近代的な人間観”が成立していた時代の、強固で骨太なドラマを持ったイプセン戯曲を題材に扱いつつ、今やコワレテしまっている現代の人間の内面の在り方を描きたい。
戯曲のテキストに対し、登場人物とは違う距離でそれを扱う俳優を登場させることで、(今回の「幽霊」には戯曲の登場人物以外の俳優が出演します。)現在の視座から、いまや廃墟となったイプセンのドラマを眺め直すことが出来るのではないか。
問題はテキストと俳優の距離感だ。様々なレンジでテキストと向き合うことが出来れば、上演は成功すると考えている。きっと壊れた現実を修復する作業ではなく、修復しようとする作業を、あるいは現実がコワレテイルというその様を空間に塑像していくような作業になると思う。

■ ご挨拶にかえて― 2011年09月21日の演出ノート

下記の文章は、以前、矢野の書いているブログに掲載したものです。今考えていることを少しでも共有して頂いて、観劇にあたっての補助線の様なものになればと思い、転載します。既にお読みの方は、御免なさい。長文で、御免なさい。

コムツカシイことを書いていますが、結局描きたいのは方法や形式ではなく、人間の存在そのものです。善とか悪とか、希望とか絶望とかではなく、この矛盾を孕んだ不可解な存在。

イプセンは偉大です。イプセンの描いた骨太なドラマを現在に上演しても古びることなくお楽しみいただけるよう創意工夫して制作しました。 上演時間は90分を予定しています。少々長いですが、最後までごゆっくりお楽しみ頂ければ幸いです。

【演出ノート20110921】

shelfでは、ここ数年何作かイプセン戯曲に取り組んでいるが、改めて何故イプセンなのか。ということは、もっともっと突き詰めて考えておいていい気がする。

単純にぼくが個人的にイプセンが好きだ、ということは、ある。確かにある。僕はイプセンが好きだ。何度読んでも飽きない。非常に優れた作家であり、いつ読んでも古びない面白さがあると思う。けれどもしかし、その一方で、それをそのまま上演してしまったんじゃ、以前にも書いたけど(三浦基のいうところの)「時代劇」にしかなり得ない。「現代劇」にするのが難しいというジレンマを抱えている。

イプセンは、おそらく近代戯曲の原型、もっとざっくり言ってしまえば今“メロドラマ”として流通しているところの“ドラマ”の原型を作った人なのだと思う。家庭劇。しばしばイプセンの上演を見て、昼メロみたいだ。という感想を聞くことがあるけれど、それは逆なのだ。違うんだ。昼メロが、イプセンに似ているのだ。

特別な人が出てくるわけではない。ちょっと上流階級の人たちが主人公ではあるけれども、それでも王侯貴族や神ではなく、あくまで“普通の人間”たちが、日常のなかでトラブルに巻き込まれたり、自ら犯した過去の過ちに振り回されたりする。お金や名誉にとらわれながら生きる意味に戸惑い、人間関係のトラブルに巻き込まれながら、生きて、死ぬ。人間て、つくづく業の深い生き物だと思う。

しかしそれがドラマになる背景にあるのは、実は見逃されがちなのだけれども、普通の人に(も)価値があるという近代の人間に対する価値観の転換だ。人間観の変化だ。その、普通の人にも価値がある、という人間観が、こういった家庭を舞台としたドラマの成立を後ろ立てしている。

そしてそこには近代に発明された「個人」や「自我」、という観念が厳然として疑いのない価値として信じられている。

ノーラが、私は妻であるよりも母親であるよりも、女であるよりもまず“一人の人間”なのよ! と言って家を出て行った背景にはそういう文脈がある。

しかし、家を出たところで、彼女はどうにもならない。何故なら、言わずもがなかもしれないが、人は結局「個」として独立してあるのではなく、関係の網目の中での「結節点」にすぎないからだ。

結節点である以上、網の目から離れてしまっては自立できない。「人は関係の中でしか生きられない。」という言葉は、環境倫理学(エコロジー)がこれだけ重要な“知”になった今、(人は自由には生きられない。人が自由に生きて、自由に生きた結果、人生を失敗したとしてもその人の自由だ。というような素朴な自由主義は、環境倫理学の前で既に破産宣告を受けている。)環境倫理学は、より一層大きな意味合いを持って私たちに“生き方”の“更新”を迫っている。 そういう意味でも、イプセンの描いている人物像は“古い”。

家を出たノーラに救いはない。しかし、その古さが、残念ながら今もこの現代の世の中でまかり通っているのではないか? というのが今の僕の問題意識だ。

我々は全然そこから抜け出せてない。人間はきれいなことを言っていても、けっきょくのところとことん自分勝手な生き物なんじゃないか。あるいは、事態を肯定的にとらえ、人間を善意で以て見たところで、例えば学習要領における個性の尊重、自分らしさの追求、あるいは、企業の就職活動におけるAO入試のような、過剰なしかもマニュアル的に出願者の人物像を精査する様な動きなどは、姿を変え形を変えて(既に破産した筈の)「個人主義」や自己の確立を尊重する「自由主義」に、底の方でいまだに繋がっているのではないかと思う。

事態は何も変わっていない。イプセンの限界であった、当時としては最先端の思想であった「個人主義」、「自由主義」による「因襲」批判は、しかし姿を変えて私たちのまわりを今も、「幽霊」のようにはびこっている。おそらくは肯定的に捉えられていたであろう「自由主義思想」すら、幽霊として、私たちを取り巻いている。それを描いた戯曲に「幽霊」という題名が付けられているのは、イプセンの本領だろうとも思う。

そう。そういう読み変えをすれば「幽霊」の描いている問題は、いまだに解決され得ていない。否、解決することのできない人間の業の様なものを描いているのではないか、とさえ思う。梅毒の問題、近親相姦の問題など当時センセーショナルだったトピックは表層の問題に過ぎない。 けっきょく私たちもまた幽霊の一部なのだと思う。という感想を述べてくれた京都でのワークショップ参加者の女性の表情が忘れられない。


■戯曲「幽霊」 について
ギリシャ悲劇にも比せられるイプセンの傑作。三幕の家庭劇。愛のない結婚を否定しつつも、因襲的な観念に縛られて放縦な夫のもとに留まり、夫亡き後も家名を守るため偽善に終始してきたアルヴィング夫人。夫の偽りの名誉を讃える記念式典を前に、可愛い一人息子のオスヴァルが、病を患って帰ってくる。帰国した息子は夫人の召使いのレギーネを自分の伴侶にと望むが、彼女が他ならぬ彼自身の異母妹であることを知らされる。親の犯した過ち。その償いをさせられる子。誰もが無自覚なままに繰り返される悲劇。――法や道徳、宗教への不敬、近親相姦や自由恋愛の擁護、性病など当時の社会ではタブーであった様々な題材を取り扱いながら、近代以降の人間の精神の在り様に迫る、イプセン代表作の一つ。

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photo/Mari HARADA
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