shelf volume03 「R.U.R.」



[原作] カレル・チャペック 『ロボット (R.U.R.)』
[戯曲] カレル・チャペック×半澤 寧子 (野宮安寿.com
[脚本協力] 菊川 朝子 (Hula-Hooper)
[構成・演出] 矢野 靖人
   
[出演] 関根 好香
  岡田 宗介
  宮城 未蹴
  川村 岳 (山の手事情社
  立蔵 葉子
  吉村 将志 (小鳥クロックワーク)
  成川 知也

[衣装] 竹内 陽子
[音響] 山桜 a.k.a Ayako Mori (ZOOTED)
[メイク・ヘアメイク] 入江 佐伊子
[照明] 鈴村 淳
[美術・装置] 斎田創 (突貫屋)
[写真] 原田 真理
[グラフィックデザイン] 折田烈 (餅屋デザイン)
[制作] 日和庵
[製作] shelf / 矢野靖人

[日時] 2004.8.5(木)〜8(日)

[場所] MUSEUM TOKYO
  東京都杉並区荻窪 5-30-6 福村荻窪ビル2F
Tel (英語): 090-1775-2390 Basia (日本語): 090-4956-7996 Ken





■ 堕ロボのおはなし
小さな頃から、乗り物に乗るとすぐ寝てしまう。自動車、電車、船、飛行機…特に車がダメで、くつくつ座席が揺れ出すとものの数秒で意識不明。何も覚えていない。
そのため旅行に行っても「移動した」実感がまるで無く(動いている間中目を閉じているのだから当たり前だ)、目覚めた時には風景の様変わりに吃驚仰天するのが常だった。
5,6歳までは「そうか車の中でしばらくじっとしていると、まわりの景色を誰かが変えてくれるんだ!」と信じていた程だ。誰か、トンカチを持った気のいいおじさん達など、が、私の周りの装置を工事してくれているに違いない。だって私はほとんど動いていないのだから。
学校に入ってからも、はじめて見る教室、にわとり小屋、引っ越したアパート、どれもおじさん達の力作だと思った。しかし同時に、だんだん彼らの趣味に我慢ならなくなっても来た。日常非日常を問わず、彼らの作品のセンスは生ぬるく、美しくなく、しまりが無い。この設定の中で生活するのって、もしかしたら激つまらないんじゃ…。そう感じた時、私は「ものがたり」を考え出した気がする。
おじさんの用意してくれたイヤなんて勝手だな、と反省しつつ、自分は設定になじめないダメキャラダメロボットだよ、とあやまりつつ、別の「設定」を考えはじめたのだ。
半澤寧子



■ 物語の快楽−演出ノートにかえて
すべての人は、生きていくために物語を必要としています。

物語によってほんのひととき、気持ちよく騙されることを必要としています。

例えば愛すること、愛されることで人はその気持ちよさを手に入れようとします。物語を受け容れることで、人は自分が生きていく上での規範を身につけます。物語を信じることでその物語の登場人物となり、物語を共有することで初めて、他者と関わるためのインターフェースを獲得します。宗教、歴史、恋愛、記憶。すべて物語は、人が生きるためのフィクションに過ぎません。それが事実であるかどうか、などは二の次で、人は生きるために記憶や歴史を捏造することさえあります。いや、そればかりか人は自ら死を選ぶときにさえ、物語を必要とします。

現代を生きる我々の悲劇はこの、自分たちの生きるすべてが「物語」でありフィクションに過ぎないという事実に、とうに気付いてしまっていることにあります。そのことに気付きながら我々は、気付かない振りをし続ける。それは傍らに在る深い裂け目から目を背けて生きるようなものです。

(C) photo/Yoshiro Fujikura
それはしかし、悲劇であると共にひとつのマゾヒスティックな快楽でもあるのです。

チャペックの戯曲「R.U.R.」が、「科学の発展に警鐘を鳴らした名編」として取り上げられることに対する私の違和感はここにあります。何故なら私にとっての「R.U.R.」は、科学の発展という「物語」に抗いながら終にそれに抗し切れず(半ば無意識に)それにその身を委ねざるを得なかった男の物語だからです。そこに在る諦めと自己欺瞞。悲劇の装いの裏側に、それは確かに陶酔感を隠し持っています。

−shelf volume03「R.U.R.」

モチーフは快楽です。どうぞ、ご期待下さい。
矢野靖人



※※ 公演に際してチャペックのオリジナル戯曲をモチーフに新作戯曲を書き下ろして頂いた半澤寧子氏のテキストを販売しております。 上演作品とはまた一味違った世界が展開される「Re:R.U.R」の世界をお楽しみ下さい。

戯曲「Re:R.U.R」 作:半澤寧子
原作:カレル・チャペック   翻訳:千野栄一 (岩波文庫)
700円(送料込み)

こちらで戯曲の一部をご覧いただけます。>> 戯曲を読む。

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