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テーブルに向かう男女二人。 |
(c)photo/Gasho Ito |
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| [作] | 鈴江俊郎 (劇団 八時半) |
| [演出] | 矢野靖人 |
| [出演] | 関根好香 |
| 京極圭 (劇団 東京ヴォードヴィルショー) | |
| 馬舩千代香 |
| [音響] | 佐野香代子 ((株)アンテナ) |
| [照明] | 鈴村淳 |
| [装置・美術] | 柏井勇魚 (lt-s) |
| [ガラス製作] | 篠恵美子 |
| [写真] | 伊藤雅章 |
| [宣伝美術] | 京 (kyo.designworks) |
| [制作助手] | 上田康介 |
| [製作] | shelf |
| [場所] | 新宿サニーサイドシアター |
| 新宿区新宿2-6-8小澤ビルB1 TEL 03-3355-7377 |
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鈴江戯曲の要求する身体は、生のままの身体だ。技術や方法論や、さまざまなテクニックを削ぎ落とした先にあるもの。文脈から外された身体。下手くそな俳優?ただ舞台上でフツーに在るという、そんなものはフィクションでしかあり得ないのだが、 存在を切り取るのではなく、単純化して答えを提示するのでもなく、目の前に存ることによって否応なしに零れる「存在」のノイズをひとつひとつ丁寧に拾い上げていきたい。 そんなささやかな試みのうちにこそ、世界と対峙する回路があるのではないかと思う。 |
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矢野靖人
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私にとって特別の街、というのはやはり京都だ。それはきっとどうしようもない。初めて演劇に触れた街。初めて裏方について失敗し、叱られて泣きそうになっているところに先輩女優さんが「これ飲んで」とコップの水をこっそり持ってきてくれたあの狭いソデの裏。勘違いして恋をしてそれはやっぱり勘違いだったからあっさり失恋していたたまれなくなって劇団をやめて二度と演劇なんか、と思っていたところに冬の冷たい風が吹いた。猛烈につらくなって劇団を旗揚げして、そう。京都の冬は特別に寒いから、きっとだから私はくやしくなったのだ。それ以来私は季節を感じないようにするためだけに演劇をやっていたのかもしれない。稽古、台本書き、仕込み、本番、と慌ただしくしてれば季節も風も感じるヒマがない。ところが本番が終わるとつい油断して?風。これじゃもたん、とまた逃げるように演劇活動にのめり込み……。夏暑く冬寒いあのアホな気候に振り回された若い日々はもう取り戻しようもなく、ここで消えていったのだ。 ……私の脚本にはあの風の匂いがいちいち染みついている気がして、それはもちろん不愉快で、そしてなつかしい。自分の唾の匂いをかぐようななつかしさ、というのか。 もちろん「トマトと、」も匂いがする。これが東京の街で上演される時、匂いははてさて邪魔にならないのかと心配だ。いやしかし。演出の矢野君は暑苦しげな若者だ。唾の臭げな連中がきっとまわりに群がって芝居を作るに違いない。見事に自分たちの匂いに染め直してくれるに違いない。いやそれに、好き勝手につづったこんな台詞が、確実に彼らの中では取り返すことのできない何歳何カ月かのあの頃の、と恥ずかしく記憶されることになるのがうれしくてたまらない。それはきっとお客さんにとってもそうだろう。 上演がとても楽しみだ。 |
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鈴江俊郎
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□鈴江俊郎 プロフィール 劇作家・演出家・俳優 |
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1963年大阪生まれ。京都大学在学中に演劇活動を始める。 近畿大学文芸学部芸術学科演劇芸能専攻専任講師。
1995年『零れる果実』で第2回シアターコクーン戯曲賞を受賞、同年『ともだちが来た』で第2回OMS戯曲賞受賞。1996年『髪をかきあげる』で第40回岸田國士戯曲賞。
京都の舞台芸術活性化のため「京都舞台芸術協会」の設立に参加するなど積極的な活動を行っている他NHKのラジオドラマや、文学座をはじめとする他劇団にも多くの作品を提供している。
京都を根拠地に活動する「劇団八時半」(結成'93年)主宰。
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