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神奈川新聞
2009年3月20日(金)
神奈川の文化時評 「演劇」
言葉を聴かせる趣向 横濱・リーディング・コレクション#FINAL
二〇〇六年から始まった横濱・リーディング・コレクションという企画では毎回、一人の作家を決め、その戯曲や小説などを読むのを基本に、三―四人の演出家が舞台表現のさまざまな可能性に挑んできた。五回目は
「#FINAL 三島由紀夫を読む!」
と題して四作品を見せた(2月21・22日、相鉄本多劇場)。
この企画では東京を拠点にする演出家が多いが、今回は地元劇団、ペピン結構設計の石神夏希が加わった。取り上げたのは、手紙の書き方の指導と例文からなる
「三島由紀夫レター教室」
。現代の男女四人が身近にあるものを次々と読む、という形で、日常を描いている石神の持ち味を生かしながら、三島の書くことへのこだわりなどを伝えた。 ほかに、田口アヤコはみしまと全共闘との討論をまとめた
「美と共同体と東大闘争」
を、場違いな衣装などの趣向で見る側を引き寄せた。片山雄一は戯曲
「わが友ヒットラー」
を、人物の焦点を絞って再構成し、新しい味を出した。企画のプロデューサーでもある矢野靖人は
「近代能楽集」
の
「班女」
に挑み、二人のせりふを三人に語らせるなどの手法で、作家が練った言葉に観客の意識を向けさせた。
(山田ちよ)
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