次回公演情報


shelf volume 22
GHOSTS-COMPOSITION/IBSEN
(イプセン著『幽霊』より)

あいちトリエンナーレ2016舞台芸術公募プログラム

2016年10月 2日(日)@愛知県芸術劇場小ホール(名古屋)

原作 / ヘンリック・イプセン
翻訳 / 毛利三彌
構成・演出 / 矢野靖人
 






[キャスト]






[スタッフ]

川渕優子
森祐介
三橋麻子
沖渡崇史
横田雄平
井上貴子

照明デザイン / 則武鶴代
衣装 / 竹内陽子
写真撮影 / 原田真理
映像 / TANJC
制作助手 / 北島莉恵、神川美優
プロダクション・マネージャー / 加藤智宏 (office Perky pat)
宣伝美術 / オクマタモツ
後援 / ノルウェー王国大使館
主催 / 一般社団法人shelf

[日時]

2016年10月 2日(日)@愛知県芸術劇場小ホール(名古屋)

2(日)

19:00

・受付開始、及び開場は開演の30分前です。
・上演時間は80分を予定しています。

[会場・アクセス]

 

愛知県芸術劇場小ホール
〒461-8525 名古屋市東区東桜一丁目13番2号
TEL(052)971-5511 FAX(052)971-5601
http://www.aac.pref.aichi.jp/
東山線または名城線「栄」駅下車、徒歩3分
(オアシス21から地下連絡通路または2F連絡橋経由)

[チケット]

 

一般前売(事前決算) 3,000円
一般前売、及び当日券(当日精算) 3,500円
学生 2,000円(前売・当日共)

[予約方法]

 

オンラインチケット予約 Peatixイベントフォームから予約後(要登録・無料)クレジットカード、コンビニで決済・ご購入頂けます。
※ご予約のみ(当日受付精算、適用は当日料金)のお客様についてはお電話、メールでも承っております。
メール予約 info@theatre-shelf.org
お電話でのご予約 090-6139-9578 (shelf)
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演出ノート(2016年7月):

古典や近代戯曲を上演するということは、どういうことだろうか。そのことにどんな意味があって、どんな価値があるのだろうか。さまざまな答えがあるとは思う。しかし僕は一つの正解を提示したい。それは、それが常に“新しい”からだ。どんな古典戯曲も、文学も、今この現代においてそれを読み直すとき、それは、常に、新しい。これは比喩でも何でもない。傑作や古典と称され今に遺っているテキスト=作品はすべてじっさいに新しいのだ。例えば今回扱ったイプセンの『幽霊』という戯曲についても。

一般に、戯曲『幽霊』において描かれる“幽霊”とは曰く、人間の因襲のことである、と解されている。

我々は日常、様々な慣習や常識、理性や、広くは文化、宗教、家族観といった社会制度さらには歴史といった人間を後天的に規定する―しかしそのじつ実体のない―諸制度によって、自己の精神と、社会との関係を保っている。イプセンの“幽霊”は、しかしそこには、実は何の根拠もないことを暴いてしまう。それらすべてを“幽霊”にすぎないと断じる。

僕もそのような普通の、”古典的な”読み方をしていた。しかし今回、再演の機会を得て稽古をしているとそれが、一つひとつの台詞が、言葉が、今、目の前の俳優によって発せられるその度毎に全く新しく、且つ、実に真に迫った迫力を持って身体の芯に響いてくるのだ。

何故か。単純な話だ。今の自分たちを取り巻く環境、時代を少しでも考えてみたらいい。昨今の我々を取り巻く日本の、あるいは世界の各所で巻き起こりつつある過剰な(そしてアンバランスな)ナショナリズムの勃興と、あまりに安易で、あまりに性急に答えをばかり求めるポピュリズムの世界的な跋扈という、時代の大きなうねりを目前にし、個人や集団が果たしてどのような有意な何かを為し得るか。もしくは為し得ないか。あるいは、為すべきでないか。

と同時に、しかし今や世界のどこにも、自分の判断と行動の結果はもちろん、その影響が及ぶ範囲を正確に把握し、その上でそれを行使出来る力や領域をすべてきちんと把握している人間なぞは、政界、官邸や霞が関にはおろか財界にも、果たして一人も存在しないんじゃないだろうか、とも思う。1000分の1秒を競って入ってくる売り注文・買い注文をさばくという金融市場のコンピュータシステムがまさに象徴的で、通常の感覚の人間には処理出来ないようなスピードと複雑さで市場が変動し、市場と複雑に連動した様々な社会のシステムが、同様に猛烈なスピードで複雑な挙動を見せる。しかしそもそもそのようなシステムを作ったのは誰だったか。人間だったのではないのか。否、それこそが現代を彷徨い、我々を支配する“幽霊”なんじゃないか。

世界はじっさい複雑で怪奇だ。しかし、だからといってそれを眼前にただ、目眩を起こして茫然と立ち竦むだけだなんて、それこそ人間の理性と感性に対する不遜で愚かな態度と思う。だから僕は考え続けるし、読み続ける。そして、作り続けるのだ。そして読み直すのだ。

逸脱しているように思われるかも知れない。だがこれこそが僕にとっては確かな、古典を上演する意味や、価値の話なのだ。

演出、矢野靖人

 



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