残念ながら満員御礼とはいきませんでしたが、それでもおかげさまで多くのお客様に作品をご覧いただくことができ、たいへん好評のうちに幕を閉じることができました。
ほとんど受入れカンパニーのように制作的なことから舞台裏のことまで手配して動いてくれたよこしまブロッコリーの皆さんには本当に感謝のしようがありません。有難うございました。東京公演が実現した際は全力でお手伝いさせて頂きます。今後ともよろしくお願いいたします。
作品については、久しぶりに現代作家のテキストを扱う、ということでいつもと色々と勝手が違い、創作の過程ではずいぶん苦労しましたが、終わってみればいつものshelfらしい、張り詰めた空気のなかに切なさの溢れるとても良い芝居になったのではないかと思っています。この作品もまた、いつか是非とも再演をしたい、そんな作品の一つになりました。
終演後のアンケートも、いつもとても楽しみに読ませて頂いているのですが、重かった。少し難しかったという反応のなかに、それでも、すごく良かった。こういう芝居がずっと観たかった。というような嬉しい感想から、なかには、日本語はきれいだと思った。鳥肌が立った。すべてが繊細でゾッとしました。などという素敵な感想もあって、本当に苦労して作った甲斐があったと思いました。ご来場いただいた方には改めてお礼を申し上げたいです。本当に有難うございました。
千種セレクションは明後日(木)よりウィークBが始まります。
何度も書いているけど本当に自分が見届けられないのが残念でなりません。第七劇場の「かもめ」は、僕は初演を見ているのだけど第七のなかでもいちばん好きな作品の一つだし、今回さらに「かもめ」のテキストを削って他の小説からの引用の比率が増しているというから、鳴海君の作家性が前面に出ていること間違いなく、それは何としても見届けておきたかった。
片山さんのトライフルは、今後何年かに渡って名古屋で滞在制作を続ける企画ユニットの旗揚げ公演。7年以上公演やワークショップで名古屋に通い続けてきて、ついに彼が名古屋という土地に根を張った仕事を始めるのかと思うと、いったいどんな思いと決意が詰まった作品になるのか、想像するだにわくわくします。
僕らの愛する演劇の公演は、作品としてパッケージ化された商品であるよりか、立ち会うべき事件といった方がよいようなひとつの出来ごとです。千種セレクションという企画、そしてウィークBの二作品はその意味で、名古屋で間違いなく一つの事件となって後々に語り継がれる作品になることと思います。少なくとも僕はそう願ってやみません。
本当に、一人でも多くのお客様に劇場に足を運んで頂きたい。ご観劇ご予定のお客さまはぜひお友だちお知り合いをお誘い合わせのうえ、迷っていらっしゃる方は、僕が保証します。とにかく観に行って下さい。面白くなかったら矢野が個人的にチケット代を返金してもいい。
アゴラ劇場の支援会員制度のコピーではありませんが、観ることは育てることです。それは単に作品を育てる、アーティストを育てるということだけではなく、未来の、私たちの子供や孫たちのための文化の土壌を耕すことだと思っています。
どのくらい時間のかかる仕事かわかりません。しかし最初の一歩は間違いなく、劇場へ足を運んで下さる皆さんの一歩から始まるのだと思います。今回の企画に限らず、一人でも多くの方が、たまにで構いません、劇場に足を運んで下さる世の中になることを僕は願ってやみません。演劇を、舞台芸術を愛する皆さん。どうかご協力よろしくお願いいたします。