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フェスティバル/トーキョー 『転校生』、傑作です。

今日は昼から一日で二本観劇。マチネは 『ユートピア?』 @あうるすぽっと

http://festival-tokyo.jp/program/utopia/

平田作品はもう、ウェルメイドという言葉がとてもしっくり来る。日本、イラン、フランスの演出家、俳優たちが集まって作った国際共同制作作品なのだけど、その演劇作品の拓き得た地平の広さ、到達点の遠さについて、つくづく思い知らされた。かなわない。

単純に、演劇を見ているのに演劇のこと以上に、世界で起きているいろいろなことを思った。人種や文化、宗教が越えられず世界の各地でいろいろな諍いについて。あるいは、もっと単純に、取り立てて大きな事件ばかりでなく、些細な、ちょっとした出来事の積み重ねで以て世界は出来あがっているのだということ。

イラン人演出家の作品も淡々と人々の人生の1日を描く。ただし舞台に関わる俳優という職業を選んだ人たちの。千秋楽というちょっとだけ節目となる日のそれぞれの日常、戸惑いや決断。

フランス人演出家の作品は、本人もポスト・トークで言っていたように、自分の演出が見えないように、今回の作品への関わり方を考慮したらしく、確かにちょっと、「見えない」部分があった。けど、最後の景はグロテスクでとても印象に残っている。面白かった。


そしてソアレは、東京芸術劇場に移動して 『転校生』 。平田オリザ作、飴屋法水演出作品。

http://festival-tokyo.jp/program/transfer/

いやはや。これがまさに傑作! しかも絶対に再演不可能な作品で。これ、本当に必見です。これほどたいへんな作品はなかなかないと思う。初演時の静岡公演を見逃したのが、今更ながら本当に悔やまれる。

昼間に観たオリザさんたちの 『ユートピア?』 が、観ていてとても、知的な興奮を味わったのに対し、 『転校生』 は単純に感動した。それも掛け値なしに。芝居を観ていて“感動”したのなんか久しぶりなんじゃないかな。泣いた、泣いた。

扱われているモチーフは徹底して生の一回性。それに尽きる。それが人間存在の(=人生の)不条理さと、グロテスクさとおかしさとあと、どうにもならないまでの愛しさになって舞台に立ち現われる。

宮城さんが芸術監督になられてからのSPACの制作作品のなかでも、最高傑作だと思う。劇場主催事業という意味でも、素晴らしい仕事。

今週末まで。どちらも池袋です。ご興味持たれた方は是非。

ファイル 306-1.jpg

  • 2009.03.28 (土) 01:51
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  • Yasuhito YANO

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