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「戯曲の読み方―戯曲を深く読みこむために 」

お勧めです。家人のと自分が買ったのとで二冊うちにあって、それを先日劇団員のひとりに譲って、それを機にちょっと読み直していたのですが、改めて。

古典戯曲を読むのには勿論、俳優の仕事を考えるに当たってとても役立ちます。

ブロンズ新社
「戯曲の読み方―戯曲を深く読みこむために」
デヴィット・ボール著 常田景子訳

 戯曲は、アクション(行為)の連続である。戯曲は行為について述べたものでもなければ、行為を描写したものでもない。火事は炎について描写したものだろうか? 火事は炎そのものである。同様に、戯曲は、行為(アクション)そのものである。さもなければ、なぜ俳優がアクターすなわち「行為する者」と呼ばれるのか?

という書き出しに始まり、論旨がいちいち非常に明快でとても分かりやすい。そのほかにも「人間は、自分の欲しいものを手に入れるためにしゃべる」とか、「戯曲の葛藤は、誰かが欲しがっているものと、その欲求を妨げるもの、すなわち障害との間に起きる。」とか、

考えてみれば当たり前のことばかりなのだけれど、きちんと明確にこうして書き出されるとまるで目の前の霧が晴れるようで、非常な爽快感があります。

 登場人物がなぜ、あることを考えているかを理解するだけでは十分ではない。なぜ、そのことを声に出して言うのかを理解しなければならない。何が邪魔になっているのか(障害はなにか)?

 残念ながら、障害は、たやすく無視される。俳優は、動機は覚えていても、障害は忘れてしまう。だが、動機が障害にはばまれて活性化されないと、台詞は、いいかげんに、自動的に、口先だけで発せられてしまう。抵抗がないということはドラマとしての葛藤がないということだ。それはすなわち、俳優が何をしようと、芝居にならないということだ。


等々。2003年に発行されてすぐ購入して読んだのだけど、改めて読み返すとまたいろいろ刺激的。若い俳優はもちろん、演出家、劇作家にもお勧めの一冊です。

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