いつだったか、どこかのテレビ番組で、詩人が語っていた言葉をふと思い出した。
詩っていうのは、誰にも言いたくないことを分からないように言うことなんですよ。
正確な記憶ではないし、細部はもっと気の利いた違った言葉だったかもしれない。しかしそれでも、とても印象に深く、ずっと記憶に残っている。
表現をするということは他者に向かって限りなく自分を開くことだと思う。晒されるということだと思う。
自分を開くということは、本当はとても怖いことだ。表現をする者はそのことをちゃんと分かってなければならないと思う。しかし人は、慣れてくると人はそのことに、ともすれば鈍感になる。あるいは、開いているつもりでそれと知らず、いつのまにか自分を、自分の考えを他人のそれとすり替えて、ちゃっかり自分を守ってしまっている。
(保守的になるということはそういうことだ。)
自分が傷つかないような、怖くないような表現はない。そんなものは嘘っぱちだと思う。