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これほどまでに官能的な、

参った。参りました。トンでもなく素晴らしく、得難い体験を戴きました。これほどまでに官能的な体験を、久しく得たことがありません。これはもう、なんというかちょっと、人に教えたくないなあ。

SENTIVAL! オープニングを飾る百景社の「授業」と「A+」の二本立て公演を観劇(5/17)。この、百景社の「授業」も良かったんだけど、鈴木史朗さんの演出・出演の「A+」が、もう。

冒頭、レイ・ブラッドベリ『霧笛』に始まり、繰り返しの短いテキストシークエンスが特徴的な、ベケットの「ロッカバイ」をモチーフに最後の「人生なんてくそったれよ」に収斂していく一人の年老いた女の人生をめぐるドラマ。

って、帰宅して読み直したら、実はモチーフに、というよりほぼ、全編そのままやってたんですね。『ロッカバイ』。

登場する人物? は「女」と「目」と「声」だけで、執拗に細かな指定が続くト書きが添えられた後期ベケットの代表作にひとつ。

「目」も「声」も象徴的な意味でのそれではなく、

「目」

閉じているときと、まばたきしないで見開いているときがある。第一のセクションでは両者はほぼ等しい割合。第二、および第三のセクションでは次第に閉じているときが多くなり、大四のセクションの半ばでついに閉じたままとなる。

「声」

第四のセクションの終わり近く(「自分に向かてひとりごと」のあたり)から、「声」は次第に弱くなる。ゴチック体のセリフは「女」と「声」が同時にしゃべる。一回ごとに「女」の声はやや弱くなる。「女」の「もっと」も一回ごとにやや弱くなる。

なんて指定があるだけでつまり本当に具体的に「声」と「目」なのだけど、

うーん。やられました。ずっと以前だとはいえ戯曲を読んでいたのに、それと気づかないなんて。

時折客席から投げかけられ繰り返される「女」の台詞、「もっと」も、ほとんどオリジナル戯曲のシークエンスの順番通りだったなんて! 恥ずかしい、、、

いや、いや。

それを凌駕するものが舞台にあったのだ、と信じたい。

思い返すも実に、実に官能的な50分でした。

A.C.O.A.は6月の最終週の週末にも再び上京、上演します。演目は江戸川乱歩の「人間椅子」!!

決めたよ、もう。

絶対に行く。行きますよ。

楽しみにしてます!


ファイル 142-1.jpg

『 - 共生の彼方へⅢ- 人間椅子 』
A.C.O.A.(栃木)

原作 : 江戸川乱歩
構成・演出・出演 : 鈴木史朗

6月26日(木) 19:00
27日(金) 19:00★
28日(土) 19:00
29日(日) 14:00
★=「トーク!」開催日

more info.
http://sentival.blog43.fc2.com/blog-category-6.html

  • 2008.05.18 (日) 02:06
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  • Yasuhito YANO

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