
構成台本が出来て、俳優もみんな?台詞が8割方は入って、今、稽古場では立ち稽古をしながら動きのネタ出しをしたり関係性の構築を行ってます。
関係性の構築といっても、shelfの場合、“所謂”対話があって、その関係を深めるというのではなく、そこで語られている自分以外の他者のテキスト(台詞)からインスパイアされる動きだったり、その関係を増幅する動き(ムーブメント)だったりを全体で作っていきます。
というのも、喋っている人以外の人間も含めて、舞台上に俳優が、常に居続ける仕様なんですね。仕様というよりか、それがshelfのいつもの作劇法なんです。
ここではまず、喋っている人の“語り”の強度が問われるのですが、同時にサブテキスト的に7人の(今回は)関係がドラスティックに、70分の間に変化していかなければならない。
というかそうした方が面白い。し、更には、語りで語られる内容を、俳優が耳を目を触感を空気を身体で受け止めて、影響を受ける、あるいは及ぼす。という作業を通じて、テキストレベルで語られる起承転結や序破急とは別のレイヤーで、それと異なるドラマツルギーを獲得出来ないか、ということに今、ここ数年、真剣に取り組んでいます。
やってみて、何度も繰り返して、それでも結果的に無駄になってしまうような作業も多いけど、その無駄が養分となって新しい芽が出るような、無駄をそぎ落とした結果のシンプルさ=想像力の働くかたちを獲得できるよう、徹底的に体を使っています。よくshelfはあまり動かない、とか自分たちでもここは全力で立ち止まっているんだ。とか、スタティックな芝居構成をすることが多いのですが、今回は体を使える俳優が多いので、いつもとはまたちょっと違ったテイストの作品になりそうです。
本当に豊かな稽古場です。全員が、振られた振付や役割を演ずるのではなく、演出のディレクションのもとに頭と感覚をフル稼働させて時間と空間を紡ぎだしていく。
畢竟、話し合いの時間も、すごく長い。です。稽古場にいる時間は、出来るだけ身体を使う作業をしたいので、結果、話し合ってコンセンサスを取ったりアイデアを出し合ったりする時間は、稽古後に零れることが多い。といって外で立ち話をするのもアレなので、どこか飲食店に入ることが多い。
さいわい稽古場のある経堂には遅くまでやっててしかも安い! 飲食店が多いので、重宝しています。中華屋とか、居酒屋とか、そこそこ食べて飲んで一人当たり1,000円ちょっとで2時間近くミーティングが出来る。ここで話し合うこともとても重要というか、凄く有意義で、豊かな交感があります。だいたい同じ食べ物を食べて、飲んで、ってそれだけで、ある種の連帯感が生まれますよね。そうでもないかな(笑)
それにしても舞台創作って、素晴らしい交流だと思う。身体と言語をフル稼働させて他者と関わる。この濃密な交流を、劇場でもぜひ観客の皆さんと共にしたい。
舞台作品は、稽古場では絶対完成しません。現場に入って、観客席に観客を迎えて、初めて完成する代物です。それは一般に言われている「見ている人がいないと・・・」というレベルではなく、観客と俳優の呼吸や体温、といった生理的反応も含めて、俳優が本番を迎えて観客から受け取るものを受け取って、初めて新しく気づくことがある。発見することがある。考えるべきことが生まれる。そこでようやく作品が作品として成立するのです。

写真は行きつけの中華屋の逸品、卵とトマトの炒め物。ちょっと最近個人的にハマッてます。美味!