La+Labo.#1
S・ベケット『芝居』より

2011年3月30日(土)@静岡県舞台芸術公園・稽古場棟 「BOXシアター」
作 / サミュエル・ベケット
構成・演出 / 矢野靖人

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[出演]

川渕優子
櫻井晋
春日茉衣
石原愛子

[選曲・ドラマトゥルク]
[衣装]
[制作]
[主催]

荒木まや
竹内陽子
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SPAC

[日時]

2011年3月30日(水)19:30〜

[場所]

静岡県舞台芸術公園・稽古場棟 「BOXシアター」
静岡県静岡市駿河区平沢100−1

■演出ノート

生は死という“終わり”があるゆえに生足りうる。生者は、死という“終わり”があるからこの不条理で価値のない生に意味を見いだそうとし、見いだし、生を全うすることが出来る。

べケットの「芝居」に登場する人物たちはみな死者だ。死者は死者であるゆえに終わりがない、ということの途方もなさと向き合わざるを得ない。死があるからこそ見いだせる生の価値に、意味に対して、死者は決してそこにたどり着けない。それゆえにベケットの描く死者は、圧倒的な“存在”の不条理を差し示す。

しかし、つまり生に意味なんてない、なんてことは、ベケットはそれを指し示しているのだと思うのだが、そんなことには我々はとうに気付いてしまっている。我々はそこから始めなければならない。そこから始めて如何にベケットを読み直すか。

という、ここまでを書きながら、生とか死とか、存在の不条理とか、そんな言葉を想念を振りかざすことの空虚さにも、私たちは気付いてしまっている。そんな場所から如何にして新しい物語を語り直すか。物語の終わってしまった世界で、それと知りつつ如何に物語を語り始めるか。

私たちの立たされている地平はそんな場所だ。先ずはそのことをしっかりと見つめ直すことから始めたいと思う。感傷を捨てて、残酷に、無慈悲に。重要なのは、生の手触りだ。意味や価値とか、言葉とか概念でなく。生の手触りをまっすぐに感じられるような時間を紡ぎたい。そこにだけ救いがある気がする。

演出 矢野靖人

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■サミュエル・ベケットについて

becket

(Samuel Beckett, 1906年4月13日 - 1989年12月22日)アイルランド出身のフランスの劇作家、小説家、詩人。不条理演劇を代表する作家の一人であり、小説においても20世紀の重要作家の一人とされる。父親は建築積算士でそこそこ裕福、母親は万事を厳格に切り回していて、修道女のようだったという。パリでジェイムズ・ジョイスと知り合い、深い影響を受ける。ウジェーヌ・イヨネスコと同様に、20世紀フランスを代表する劇作家としても知られる。1969年ノーベル文学賞を受賞。主な作品に、1953年1月5日ラスバイユ大通りのバビロン座で初演された戯曲 『ゴドーを待ちながら』 の他、『勝負の終わり』、『クラップの最後のテープ』、『しあわせな日々』、『芝居』、『わたしじゃない』 等、小説に 『マーフィー』、『モロイ』、『マロウンは死ぬ』、『名づけえぬもの』 等がある。

■La+Laboratory#1 in Shizuoka とは
演劇運動体 La+ によるプロジェクト第一弾。東京、千葉、茨城、静岡を拠点に活動する6劇団約40名が参加。今回は、静岡県舞台芸術センター芸術総監督宮城聰氏により設定されたテーマ「神」をもとに2人の演出家が上演用戯曲として、S・ベケット「芝居」、平田オリザ「S高原から」、ソフォクレス「オイディプス」、泉鏡花「天守物語」を選択。4つの劇団が、静岡県舞台芸術公園での5日間の稽古を経て、意見交換と成果発表公演を実施。

■La+ とは
もっと日本の小劇場演劇の未来を面白くしてゆこう! と、一劇団では成しえない様々なプロジェクトを企画・制作する演劇運動体。2010年、日中韓の演劇人により催された第17回BeSeTo演劇祭関連企画 「BeSeTo+」 より派生。日本各地から集まった演劇人が、移動演劇祭開催、合同ワークショップ、演劇的人材育成企画等を企画。2011年3月現在、参加メンバーは、石井 幸一 (一徳会)、岡田圓 (花傳[KADEN] Theatrical Art Company)志賀亮史 (百景社)、鳴海康平 (第七劇場)、矢野靖人 (shelf)、渡辺亮史 (劇団渡辺)…〔五十音順〕

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